研究課題/領域番号 |
09874152
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質変換
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
早川 芳宏 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 教授 (50022702)
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研究分担者 |
村田 静昭 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 助教授 (50157781)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 動的速度分割 / 不斉合成 / 光学活性アミン / 酸・塩基複合型促進剤 / DNA合成 / 光学活性リン化合物 / 光学活性アゾール |
研究概要 |
これまで、光学活性テトラゾールを促進剤に用いるホスホロアミダイト法あるいは光学活性アミンを促進剤に用いるホスファイト法による、動的速度分割に基づくP-キラル光学活性リン酸関連化合物の不斉合成を計画し、これまでその実現を種々検討してきたが、現在の所、努力の甲斐なく目的達成に至っていない。しかしながら、本研究遂行中、ホスホロアミダイト法による核酸関連化合物の合成においては、イミダゾールあるいはべンズイミダゾールのトリフルオロメタンスルホン酸塩のような有機塩基・有機酸複合型化合物が、これまで汎用されてきたテトラゾール系化合物に優る促進能力を示し、またコスト的にも安全性の面でも優れる極めて有効な促進剤であることを見出した。なかでも、イミダゾール塩は塩基部無保護ヌクレオシドにおいて水酸基選択的ホスフィチル化を行うというこれまで類を見ない特長をもち、塩基部を保護することなくDNA合成を可能にする特筆すべき促進剤であることを発見した。これによって、大きなデメリットでありながら副反応を防ぐためにはヌクレオシド塩基部アミノ基の保護が不可避であった既存の方法に比べ、格段に効率の良いDNA合成法を実現するに至った。この塩基部無保護ホスホロアミダイト法は、核酸合成における長年の夢であった究極的方法とも言うべきもので、経済性や操作性が重視される大量合成においてはとくに有効な方法である。したがって、今後、この塩基部無保護法を基盤に、アンチセンス核酸を含む生体関連有機リン酸化合物や有機リン酸系農薬などの有用有機リン酸関連化合物のキログラムあるいはトンスケールでの経済的大量合成を開発したい。このように研究期間内に所期の目的を達成することはできなかったが、新しい研究課題を生むという望外の成果を得た。
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