研究課題/領域番号 |
09874178
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物生理・代謝
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
道端 齊 (道端 斉) 広島大学, 理学部, 教授 (00111740)
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研究分担者 |
植木 龍也 広島大学, 理学部, 助手 (10274705)
宇山 太郎 広島大学, 理学部, 講師 (60232914)
金森 寛 富山大学, 理学部, 教授 (00019001)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 原索動物 / バナジウム / 金属濃縮 / 酸化還元 / 組換タンパク質 / cDNAクローニング / pH / 液胞 / ホヤ / 濃縮機構 / H^+-ATPase |
研究概要 |
ホヤのバナジウム濃縮細胞(バナドサイト)の液胞には高濃度のバナジウムが濃縮されており、Ascidiagemmataではその濃度は海水濃度の10^7倍の350mM濃度に達すること、バナドサイトの液胞膜上には液胞型H^+-ATPaseが存在し、液胞はpH2の硫酸酸性に保たれており、濃縮されたバナジウムは低酸化状態の3価に還元されていること、H^+-ATPaseによって輸送されたプロトンの電気化学的ポテンシャルはバナジウム濃縮に共役している可能性が高いこと等を明らかにしてきた。 特に、プロトン濃度とバナジウム濃度との間には正の相関関係が存在し、バナジウム濃縮のエネルギー機構を担っていると考えられるが、すでに高濃度のバナジウムを濃縮しているバナドサイトそのものを使ってこのことを証明することはきわめて困難であることを体験した。そこで、H^+-ATPaseとバナジウム結合タンパク質を組み込んだ人工細胞を構築して、濃縮のエネルギー機構を解明することを計画した。 この2年間で次のような進展があった。 (1) バナジウム結合タンパク質(VAP)のうち、12.5kDaと15kDaをコードする遺伝子の配列を明らかにした(未発表) (2) VAP遺伝子を発現ベクターに組み込み融合タンパク質を合成した(未発表) (3) バナドサイトの液胞膜上には液胞型H^+-ATPase(V-ATPase)のサブユニットのうち、57kDaと72kDaのサブユニットをコードする遺伝子をクローニングした(Ueki et al.,1998) (4) 三価のバナジウムに結合した水分子の解離によって生じたプロトンが、液胞内をさらに酸性にする可能性を理論的に指摘した(未発表)。
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