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ヒトはなぜ毛皮を脱ぎ捨てたのか-毛の温熱生理的役割に関する生理人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09874185
研究種目

萌芽的研究

配分区分補助金
研究分野 人類学(含生理人類学)
研究機関千葉大学

研究代表者

勝浦 哲夫  千葉大学, 工学部, 教授 (00038986)

研究分担者 岩永 光一  千葉大学, 共同研究推進センター, 助教授 (70160124)
原田 一  千葉大学, 工学部, 助教授 (70156511)
研究期間 (年度) 1997
研究課題ステータス 完了 (1997年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
キーワード毛 / 生理人類学 / 熱放射 / 熱流量 / 皮膚血流量 / 皮膚温 / 体温 / 発汗量
研究概要

なぜ,人類が毛を脱ぎ捨てたのか,についていくつかの仮説が知られているが,これらの仮説を実験的に検証した研究はない。そこで本研究では,毛の温熱生理的役割について,特に熱放射遮蔽効果について生理人類学的に研究した。高温環境(37℃)および常温環境(27℃)において,赤外線ランプによる熱放射を成人男性8名の身体右側に暴露した。熱放射強度は,毛のない状態を想定した強熱放射条件(約0.95kw/m^2),薄い毛で覆われた状態を想定した弱熱放射条件(約0.48kw/m^2),厚い毛で覆われた状態を想定した熱放射無条件の3条件で行った。被験者は短パンのみを着用し,前室(気温約25℃)で1時間安静を保った後に人工気象室に入室し,各条件下で50分間椅坐位安静を保った。その間,直腸温,鼓膜温,皮膚温,皮膚血流量,熱流量,発汗量などを測定した。
その結果,以下のことが明らかになった。
1.総発汗量は熱放射が強いほど(毛が少ないほど),気温27℃,37℃のいずれにおいても増加する傾向が見られた。
2.熱放射を暴露された身体右側の皮膚温,皮膚血流量,熱流量は,気温27℃,37℃のいずれにおいても熱放射が強いほど(毛が少ないほど)増加した(熱流量は,27℃で放熱量の減少,37℃で受熱量の増加)。
3.気温との回帰関係から各生理量の修正平均を算出したところ,熱放射を暴露されていない身体左側の皮膚温,皮膚血流量は熱放射が強いほど(毛が少ないほど)逆に減少するという興味深い結果が得られた。これは,熱放射により増加した全身的な発汗の蒸発による冷却効果のためと考えられる。
4.体温(直腸温,鼓膜温)には気温27℃,37℃のいずれにおいても熱放射強度の影響は認められなかった。
5.以上のことから,人類の優れた発汗機能が高温下の放熱を促進し、毛のないことによる受熱の増加を補償できたと考えられる。

報告書

(1件)
  • 1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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