研究概要 |
本研究では,マイクロマシンの強度設計の際に必要な以下の二つを行った。 1.微小材料の強度データをとるための強度試験機の試作とそれの破壊その場観察への応用 原子スケールでの観察が可能な原子間力顕微鏡の下で,強度試験が可能な微小強度試験機を作製した。そして実際に,3%Si-Fe単結晶の疲労試験に用い,その疲労損傷過程を原子間力顕微鏡で観察することによって,単結晶材料の疲労機構を明らかにした。 2.原子寸法に近いスケールの微小構造体の強度解析法の開発 分子動力学を連続体と合理的に接合した(MD+MM)モデルを提案し,さらに(MD領域移動モデル)を展開し,実用レベルの解析を可能にした。この方法を用いて,単結晶タングステンの延性-脆性遷移現象を全く実験常数を用いないシミュレーシヨンで解析可能であることがわかった。 これらの成果は大変初歩的なものであるが,二つの成果により,マイクロマシンを設計する際に固有な材料試験及び解析が必要であり,さらにそれが本研究に基づけば構築可能であることが明らかになった。
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