研究課題/領域番号 |
09875056
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
岩城 敏博 富山大学, 工学部, 教授 (90019191)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 分子動力学 / クラスター / 衝突 / エネルギー変換 |
研究概要 |
2次元分子動力学法によって、クラスターの衝突過程におけるエネルギー変換機構を調べた。レナード・ジョンズ・ポテンシャルをもつ7個の粒子より成るクラスターを用い、並進速度、オフセット量をパラメーターとして、衝突前後におけるクラスターの凝集・分解、エネルギー変換・輸送を確率論的に調べた。また6、7、13および14個の粒子より成るクラスターの力学的エネルギーとクラスターの構造および運動との関連を調べ、衝突における凝集・分裂と、クラスターの構造と運動との関連を検別した。以下のような結論を得た。 1. 衝突過程による凝集・分解は、衝突前の両クラスターの相対的並進運動エネノレギーに依存する。相対的並進運動エネルギーによって、衝突後のクラスターサイズを制御することができる。 2. 衝突過程におけるクラスターの内部エネルギーに及ぼすオフセット量の影響は、比較的少なく、クラスターの凝集・分解は、オフセットがない場合と、ほとんど一致する。 3. 衝突過程において、まず、振動運動エネルギー、次に、並進運動エネルギーと回転運動エネルギー、最後にポテンシャルエネルギーの順でエネルギー変換が完了する。 4. クラスターの内部エネルギーの増加とともに、クラスターは固定、変形、分裂構造をとる。また、確率的に固定と変形、変形と分裂が共存する内部エネルギー状態がある。 5. クラスターが固定(変形あるいは分裂)構造をとるとき、内部エネルギーは、クラスターの粒子数の増加とともに、高くなるが、ある粒子数より多くなると、この内部エネルギーは一定になる傾向を示す。 6. クラスター同士の衝突によって内部エネルギーは増加するが、その内部エネルギー状態が、クラスターの凝集・分解を支配する。 7. 高内部エネルギー状態になって、クラスターより飛び出す粒子には、その他の残留する粒子と較べて、粒子の運動には相違は認められない。
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