研究課題/領域番号 |
09875112
|
研究種目 |
萌芽的研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地盤工学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
東畑 郁生 東京大学, 工学系研究科, 教授 (20155500)
|
研究分担者 |
吉嶺 充俊 東京都立大学, 工学部, 講師 (80251338)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 砂 / 顕微鏡 / 変形局所化 / すべり面 / 平面ひずみ / せん断帯 / 顕微鏡観察 / ダイレイタンシー / 粒状体 |
研究概要 |
近年の土質力学における実験技術の発展は複雑な載荷条件下における砂の挙動についても多くの知見をもたらした。ピーク強度の発現、その後の軟化と残留強度状態の存在などである.しかし振り返ってみると、これらの知識はすべて砂の外部からの観察(応力とひずみの測定値)を集積したに過ぎず、観察された事象を誘起した根源の機構については何ら判明していないことがわかる。根源の機構とは砂のせん断の場合、粒子間の相互作用であろう.これには粒子間の接触、摩擦、力の伝達、分離などが含まれる。 本研究ではゴム膜と透明アクリル板で砂の試料を包め、砂に真空圧を供給して剛性を与え、軸方向に圧縮せん断する装置を作成した。これを第一号機と称する。せん断時の砂粒子の運動を透明アクリル板を通して観察することができ、200倍のディジタル顕微鏡で動画として記録した。さらに第二号機ではゴムのように伸縮自在でありながら透明な材料で砂試料を包み、内部に真空を供給して剛性を付与し、三軸装置でせん断試験をできるようにした。但し、顕微鏡を試料に近接させなければならないので、三軸せん断装置のような圧力室は存在せず、もっぱら負圧によって供試体を自立させている。 豊浦砂試料及び豊浦砂にレキ(実はアルミニウムの小円盤)を混入させた供試体を用いて多くの排水せん断試験を行ない、次の知見を得た。 1) ピーク強度を過ぎて軟化が始まると、ひずみの局所化とすベリ面の形成が起る。 2) すベリ面は実は砂粒子十数個分の厚さを持つせん所帯である。 3) ダイレイタンシーに伴う体積膨張1は、せん所帯の内部に集中する。 4) せん所帯の内部では砂粒子の回転運動が著しく、転がり摩擦がすベリ摩擦より小さいことが軟化の原因らしい。 5) 砂中に混入したレキ粒子は周辺砂粒子の自由な運動を妨害する。しかし砂全体としての強度はレキ間の砂によって支配される。 6) ただし、レキ粒子がσ1方向に整列して荷重を支える柱を形成している場合、かなりの強度増加が見込める。
|