研究課題/領域番号 |
09875124
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
土木環境システム
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
奥谷 巌 信州大学, 工学部, 教授 (90026138)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 景観 / アルファ波 / 都市空間 / 音楽 |
研究概要 |
様々な都市空間の中から、合計224地点を選び、現場での脳波計測を行うとともに、ビデオに撮影した映像を見た状態での室内における脳波計測を実行した。また、音楽と都市空間の脳波反応的相関を調べるため、8ジャンルの音楽各5曲を準備し、音楽を聞いている最中の脳波計測も行った。分析から得られた主な結果は次のとおりである。(1)街路空間は、交通が少なく広告・看板・ガードレールがないこと、建物は適度に古いこと、建物壁面は木質系であることが快適性に繋がる。(2)公園・オープンスペースは、中〜大の樹木が周辺又は内部にあること、開けた部分が芝、タイル、花など通常のもの以外に土や雑草で覆われていること、周辺に老朽化建物がないことがα波でみた快適性要件となる。(3)静水空間では、水質が良いこと、ある程度の広がりを有すること、老朽化建物が周辺にないこと、水面に揺れが見られることが快適要因となる。(4)流水空間は、両側が草や樹木で覆われていること、緩やかな蛇行が見られること、両側に建物が迫っていないことが快適性の条件になる。(5)樹木については、巨大であり葉が茂っていること、周辺の路面が芝で覆われていることなどが快適性向上の方向に作用する。(6)石・彫刻・モニュメントについては、自然石であること、巨大であることの2要因が快適性要因として抽出された。(7)結果的にみると、都市空間の音楽的解釈はジャンルよりはテンポや明るさといった曲の持つイメージによる方がよい。(8)全体的に、緑が多く賑わいのある大通りやその他の街路空間は明るくテンポの速い曲と、歴史性が感じられる落ち着いた街路空間はゆっくりとした静かな曲とそれぞれ相関がみられた。(9)公園・オープンスペース、静水空間のうち水質のよい空間、小川を除いた流水空間、近代的建物、小〜中の樹木、自然石は明るくテンポの速い曲の間に相関がみられ、両岸が草で覆われたような小川、自然の素材を用いた建物や伝統的な建物、巨大な樹木で落着いた周辺環境の中にあるものなどはゆっくりとした静かな曲との間で相関が高い。
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