研究概要 |
環境工学分野の使命と方向性の模索を行うことが最大の目標であった。次のような問題点があり、次年度以降基盤研究の企画調査で引き続き行いたいと願っているものである。 1.環境という用語が不透明になりつつある。デザインや都市計画分野でも使われるし、環境汚染や地球環境という分野でも使われる。 2.研究内容が企業の時流に乗りすぎており、本来の研究者の使命が忘れられようとしている。 3.電算機普及に伴い、解析の質より量的な方に傾きつつあり、工学的積み上げが疎かにされている。またソフトウェアの管理も公開の場が少なく一研究者のみのソフトウェアになりがちである。 4.設備設計もパッケージかが進み、個別化の方向へ偏りすぎである。ニューセントラル方式などの開発が待たれる。 5.省エネルギーが叫ばれて久しいが、イニシャルコスト重視の設計業界とLCC,LCCO2などを研究する研究者との意識差は大きい。 6.実用的と称する研究者層が増えているが、実のところそれ程実用的ではない。実務者を教育できる実用的研究が必要である。結果として、基礎研究はが減少しつつあるのも問題である。 これらのことの解決のために多くの研究者と議論を交わしたが、さらに広範に実務者、教育界、マスコミ、役所、一般主婦層などとの意見交換が重要と考えている。インターネットを通した世界的討議も重大となる。
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