研究課題/領域番号 |
09875213
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
岩元 和敏 東海大学, 開発工学部, 教授 (40114392)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | イオン性高分子ゲル / マイクロポンプ / 膨潤収縮 / レーザフォーカス変位計 / 架橋ポリメタクリル酸膜 / 微小電極 |
研究概要 |
イオン性高分子ゲルを用いてマイクロポンプの駆動部分の原型を作製し、その動作性能を検討した。イオン性高分子ゲルは塩水溶液を吸収して膨潤する。この膨潤したゲル中に電流を流すと、イオンが移動する。同時に水和水の移動が起こるため、ゲルの体積変化が起こる。周期的に電流の向きを変えると、ゲルに周期的な膨潤収縮が起こることとなる。このゲルの動きを利用してマイクロポンプを作製することを最終目標として、その前段階として、大きさ1mm以下の2本の微小電極をイオン性高分子ゲル膜で覆い、電極間に交番電流を流すことによりゲル膜の厚さ方向の周期的変化を引き起こし、その変化量をレーザフォーカス変位計により高分子ゲル膜表面の上下運動として測定した。測定結果は、コンピューターに取り込み計算処理した。本研究では、微小電極に与える電圧をコンピューターで制御しており、電圧、電圧の正負を周期的に変えながら測定できるシステムを構築した。高分子ゲル膜としては、架橋ポリメタクリル酸膜をNaCl水溶液で膨潤させて測定に用いた。ゲル膜の動きは架橋度に依存する。測定結果は、1.5%架橋度のポリメタクリル酸膜において最大であった。さらに、塩濃度にも依存する。0.2moldm^<-3>が最適であった。このとき、ゲル膜の上下運動は最大で10μm程度であり、ゲル膜の厚さが100μmであり、ほぼ10%程度の動きであることが明らかとなった。なお、電圧は最大で500mVであり、水の電解電圧より低いことから、水の電解による気体の発生による膜の動きではない。レーザフォーカス変位計を用いることにより、膜厚の変化速度を測定することができた。その結果、収縮過程のほうが膨潤過程より速く進行することが明らかとなった。高分子ゲルの膨潤収縮の機構を明らかとしていく上でも更なる詳細な検討が必要である。
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