研究課題/領域番号 |
09875220
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 福井工業高等専門学校 |
研究代表者 |
生越 久靖 福井工業高等専門学校, 校長 (90026188)
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研究分担者 |
津田 良弘 福井工業高等専門学校, 物質工学科, 助手 (60216463)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 電子移動反応 / 再構成ミオグロビン / シトクロームC / 分子認識 / 酵素間会合体 |
研究概要 |
(1)酵素-酵素間の特異的会合体の形成 酵素間の電子移動反応は両者の分子認識により制御されるものと推定し、特に呼吸代謝の最終電子移動反応に関係するシトクロームcとシトクロームc酸化酵素間の会合体の生成を取り扱った。前者の補欠分子であるヘムの2つのプロピネートを化学修飾することにより、それらの末端に8つのカルボキシル基をもち、蛋白質表面に局在するように設計した。さらに中心金属の鉄を亜鉛に置換された電子授与体となる亜鉛錯体に変換した。この亜鉛錯体をアポミオグロビンと結合させた安定な再構成ミオグロビンを調製した。シトクロームcのヘムの常磁性核磁気共鳴における化学シフトの変化により再構成ミオグロビンとシトクロームcとの会合体の生成を確認した。 (2)ヘムを介した蛋白質間の電子移動反応 再構成ミオグロビン内のポルフィリン亜鉛が光励起され、一重項励起状態から系間交差により三重項状態に変化し、電子受容体へ電子移動が起こる。この反応を再構成ミオグロビンの亜鉛錯体のカチオンラジカルの濃度変化及びイオン強度の影響を調べた。蛋白質表面に集積した負電荷をもつ再構成ミオグロビンと正電荷をもつ電子受容体ビオローゲンまたは正電荷をもつ4つのリジン残基グループを蛋白質表面にもつシトクロームcとの静電相互作用による会合体(錯体)の生成が反応を制御していることが判明した。この結果は、ミトコンドリア膜上における酵素間の電子移動反応は、静電相互作用により制御されている可能性が高いことが示唆するものである。
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