研究課題/領域番号 |
09875241
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 泰男 東京大学, 原子力研究総合センター, 助教授 (40011150)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ポジトロニウム / 高分子 / 収着 / 自由空間 / 可塑化 / 陽電子消滅 / ガス収着 / 収着サイト |
研究概要 |
ポジトロニウム(Ps)は高分子材料中では自由空間ないし自由空間空孔に捕捉されて消滅し、そのような場所の大きさと量に関する情報をPs寿命(τ_3)及びPs強度(I_3)の中に持っている。一方、高分子材料中に分子が外部から侵入して収着される場合には、Psが捕捉されるのと同じ自由空間空孔が関与しているものと推定される。従って、外部分子が収着された状態をPsで測定すれば、収着分子によって修飾または変形させられた自由空間空孔が測定できる筈である。これが本研究の着想である。 これまでの研究の結果、以下のことが明らかになっている。 ・ Langmuir型の収着が起こっていると見られる場合、τ_3、I_3ともに減少する。 ・ Henry型の収着が起こっていると見られる場合、τ_3、I_3ともに増加する。 ・ 収着が時間とともに進行していく過程をPs測定でフォローすると、始めLangmuir型収着に対応するτ_3、I_3の減少があり、後にHenry型収着に対応するτ_3、I_3の増加がある。従って、τ_3、I_3 vs.時間のプロットは、V字型になる。 このように、Psによって測定すると、Langmuir型とHenry型が反対の物理量変化によって観測されることは、収着研究の他の手段にはない面白い特徴であり、これを上手に利用すると収着サイトの状態を知ることが出来よう。 実際、本研究の大きな成果の一つとして特筆されるべきは、上記V字型依存性の右型上がりの部分では、収着サイトが局所的に可塑化しているらしいことが実験的に導き出された。
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