研究概要 |
コムギにおける染色体位置情報に基づいた直接的遺伝子単離法の確立のため、(1)コムギの穂の形態を制御するQ遺伝子、(2)T.timophceviの細胞質雄性不稔を回復するRf3遺伝子、(3)Aegilops crassaの日長感応性細胞質雄性不稔を回復するRfd1遺伝子をそれぞれコムギ染色体上、5AL,1BS,7BLにRFLPマーカーを用いて詳細にマッピングした。QとRfd1遺伝子にターゲットを絞った。Q遺伝子は5AL上、Xcdo1168から4.8cM,Xpsr370から4.1cMの位置にマッピングした。マッピングした遺伝地図と染色体部分欠失系統を用いた細胞学的地図を共通したDNAマーカーで構築し、両者を対応付け、コムギ染色体上でのDNAマーカーの座乗領域を明らかにした。さらに、Q遺伝子が欠失している5ALに関する染色体部分欠失系統q5と正常系統の穂の原基が形成される幼穂から全RNAを抽出した。Poly(A)^+RNAを抽出し、2重鎖cDNAを合成した。cDNAをTaqIで消化し、アダプターを連結し、PCRにより正常系統特異的mRNAを選抜した(Amplified Fragment Length Polymorphism(AFLP)-based mRNA Fingerprinting)。正常系統特異的cDNAをプラスミドベクターにクローニングした。都合、84種類の正常系統特異的クローンかえられた。これらのクローンのノーザンプロット解析により組織特異的発現を確認した結果、候補クローンを26に絞り込んだ。さらに、これらのクローンを(1)DNAシークエンスを決定した、(2)サザンハイブリダイゼーションにより、マッピングした結果、Q遺伝子と組み換え価0のものを2クローン選抜した。これらのクローンをコムギに形質転換し、目的遺伝子であることを確かめたい。同様にして、Rfd1遺伝子の候補クローン22をえた。これらのクローンを特徴つけ目的の遺伝子をクローニングしたい。
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