研究課題/領域番号 |
09876004
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
育種学
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
寺田 理枝 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (30137799)
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研究分担者 |
飯田 滋 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (30012777)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ターゲッティング / 遺伝子導入 / アグロバクテリウム法 / イネ / ハイグロマイシン耐性遺伝子 / ネガディブ選抜マーカー / ジフテリア毒素(DxL-A)遺伝子 / メガティブ選抜マーカー |
研究概要 |
イネのWaxy(澱粉合成酵素)遺伝子を標的として相同組換えを利用したターゲティング法を確立するために、ターゲティング用のベクターの構築を進めた。また同ベクターを高頻度でイネに導入するための遺伝子導入法と相同組換えの生じた細胞を効率良く選抜するための培養システムを開発した。 ターゲティングベクターは複雑な上に長大となる可能性が高いため、この様な外来遺伝子を断片化することなくイネに導入するために、アグロバクテリウム法を適用することとした。種々のアグロバクテリア菌株やバイナリーベクターを検討した結果、アグロバクテリア菌株EHA101とPseudomonasのプラスミドの複製開始点を持つバイナリーベクターを用いることとした。また、相同組換えによる遺伝子導入の頻度はランダムな組換えに比べて極端に低いため、ポジティブ選抜マーカーとして高発現のハイグロマイシン耐性遺伝子に加えて、ネガティブ選抜マーカーを用いることとした。ネガティブ選抜マーカーは相同組換えが生じることで除去され無害となるが、通常生じるランダムな遺伝子の取込みでは除去されず有害に働き、形質転換細胞が致死となる仕組みを利用して、ランダムな遺伝子導入から相同組換えによる遺伝子導入を濃縮する。予備実験を行った結果、ポリペプチド鎖の延長因子EF-2を不活化するジフテリア毒素タンパクのAチェーン(DxL-A)遺伝子を用いることとした。次にこれらのマーカー遺伝子の選抜効果を調べた。まず選択したバイナリーベクターを用いて高発現のハイグロマイシン耐性遺伝子を持つベクターを作製し、同時にアグロバクテリウム法の効率化を目指して、アグロバクテリウムのイネ細胞への接種に関する種々の条件(アグロバクテリウムの接種濃度、共存培養の温度等)を比較検討し、極めて効率の高い形質転換法を確立した。さらに、ここで開発した高効率の形質転換法を基本として、ネガティブ選抜マーカーの効果、すなわちイネ遺伝子に導入されることによって引き起こされる致死率を調べた。その結果、ジフテリア毒素タンパク遺伝子によるネガティブ選抜の効果がイネで見られることが明らかとなった。一方、ターゲティング用のベクターの構築については、ポジティブ選抜マーカーとネガティブ選抜マーカーを持つ、基本ベクターを既に作製し、さらに相同組換えを引き起こすためのWaxy遺伝子及びその5'3'側の隣接領域を組み込むため、LA-PCR法を用いて同領域を増幅した。ベクターを完成させ、ターゲティングを試みる予定である。
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