研究課題/領域番号 |
09876010
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
園芸・造園学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
水野 雅史 神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (00212233)
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研究分担者 |
芦田 均 神戸大学, 農学部, 助教授 (90201889)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ジャガイモ / アスコルビン酸 / コピキノン / シアン耐性呼吸鎖 / 低温ストレス / 過酸化水素水 / アスコルビン酸ペルオキシダーゼ / 活性酵素 |
研究概要 |
光合成器官におけるアスコルビン酸の機能については、光・酸素ストレスによって生ずる活性酸素の消去に必須の{趙りを果たしていることはよく知られている。しかしながら、光合成と関係のない組織であるジャガイモの塊茎にも、かなりの含量のアスコルビン酸が含まれているが、その機能についてはほとんど解明されていない。そこで平成9年度は、非光合成器官でのアスコルビン酸の機能を解明するため、アスコルビン酸含量の異なる2品種のジャガイモ(高アスコルビン酸含量の品種″キタアカリ″とその親で通常のアスコルビン酸含量である″男爵″)を用いて、ジャガイモの貯蔵に頻繁に用いられる低温貯蔵および対象として常温貯蔵中でのアスコルビン酸含量と活性酸素消去酵素群の挙動を調べ、ジャガイモを低温貯蔵した際、低温ストレスにより過酸化水素水が生成し、それを消去するためにアスコルビン酸ペルオキシダーゼの基質であるアスコルビン酸が電子供与体として機能していることが明らかとなった。 今年度はその続きとして、低温ストレスによる活性酸素の発生が、どの器官から起こっているのかを解明するため、特にその可能性の高いミトコンドリア中の電子伝達系について調べた。ミトコンドリア中の電子伝達系において特に酸化還元速度の律束であるユビキノンとその還元型であるユビキノール含量を高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した結果、低温貯蔵した際にユビキノンとユビキノールの比が顕著に変化することを見いだした。このことは、低温貯蔵することによってミトコンドリア中に存在する電子伝達系のユビキノンに電子が蓄積していることを示し、ここから電子の漏れが起こり活性酸素が発生していると仮定された。また、低温ストレスに対する防御機構として重要な働きをしていると考えられたアスコルビン酸ペルオキシダーゼの抗体を作成し、タンパク質レベルでの挙動を調べた結果、本酵素は低温ストレスによってde novo合成されていることを、前年度に明らかにしたアスコルビン酸ペルオキシダーゼがmRNAレベルで制御されていることとあわせて明らかにした。
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