研究課題/領域番号 |
09876027
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
相薗 泰生 神戸大学, 農学部, 教授 (20089931)
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研究分担者 |
宇野 知秀 神戸大学, 農学部, 助手 (80240852)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 低温酵素 / 低温酵素の分離精製 / 低温酵素の熱安定性 / 低温アルカリホスファターゼ / 低温蛋白質チロシンホスファターゼ / 好冷菌産生酵素 / 低温ホスファターゼ / 低温酵素の至適温度・pH |
研究概要 |
低温域(0〜5°C)で作用する酵素の触媒機能を高次構造との関連で解明する研究の一環として、好冷菌(Shewanella sp.)が産生するアルカリフォスファターゼに着目して、その分離精製を行い、精製酵素について酵素化学的及び理化学的性質を明らかにした。 ●アルカリフォスファターゼ(AP)の分離精製:菌体(2Kg)を磨砕して得られた酵素抽出液を、硫酸アンモニウム40-80%飽和で粗分画した後、順次、DEAE-ce11ulofine、Butyl-cellulofine、Hydroxylapatite、Sephacryl S-100、Mono-Qを用いたカラムクロマトグラフィーに供し、Native-PAGE及びSDS-PAGEで均一な酵素標品1.04mg(比活性:1394)を活性収率13.1%で分離した。●APの酵素化学的特性:精製酵素は、至適pH9.8、至適温度40℃を示し、pH9.8、温度0〜10℃の範囲で安定であったが、20℃以上で失活する特性を示した。本酵素は、金属イオンを要求し、Mg^<2+>、Mn^<2+>及びCo^<2+>により活性が高められた。0℃における活性は、40℃(至適温度)の39%を示した。また、幅広い基質特異性を示し、ATP、GTP、CTP、β-Glycerophosphateなどを脱リン酸化した。●APの理化学的特性:SDS-PAGE及びアミノ酸組成分析で測定された分子量は、41,800であった。また、精密アミノ酸組成分析により、この酵素は、高次構造の安定化因子であるプロリン残基の含量が低く、また、分子内に1つのジスルフィド結合を有していることが明らかになった。これらの特性が、この酵素の中温域における不安定性と低温域における高い触媒活性に寄与しているものと推測された。 ●Phosphatase Iの酵素化学的特性:昨年、同じ菌株から単離したPhosphatase Iについて、基質特異性と、また化学修飾により触媒残基を詳細に検討し、本酵素は、Hisを触媒残基とするProtein-tyrosine-phosphataseであることを明らかにした。
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