研究課題/領域番号 |
09876042
|
研究種目 |
萌芽的研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
水町 浩 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40022165)
|
研究分担者 |
梶山 幹夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40191978)
|
研究期間 (年度) |
1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 電磁波 / 縮合 / アミド結合 / キトサン / アルギン酸 |
研究概要 |
1.キトサンの有機酸塩およびアルギン酸のアミン塩溶液:本研究ではまず、直鎖状末端-官能のカルボン酸またはアミンの水溶液に、キトサンやアルギン酸がどこまで溶解するかを確かめた。本研究で用いた、アセチル化度27%のキトサンはギ酸〜吉草酸の水溶液に、中国産のアルギン酸は1-アミノブタン〜1-アミノヘプタンの水溶液に溶解することができた。ある程度水に溶解性のあるカルボン酸またはアミンを用いる必要があることがわかり、実験は酢酸、n-酪酸、1-アミノブタン、モルホリンを用いて行った。 2.固体試料の調製:1.の水溶液をテフロン板上に流延し乾燥することによって、キトサンの有機酸塩およびアルギン酸のアミン塩の薄膜を得ることができた。このフィルムをそのまま赤外分光光度計(IR)にかけ、それぞれが塩を形成していることを確かめた。またこの水溶液をアセトン中に投入することによって、キトサンの有機酸塩およびアルギン酸のアミン塩を析出させた。 3.電磁波照射:一般の家庭用電磁波照射・調理器を改造して、固体のまま、あるいは各種溶媒中で、電磁波を照射した。水分が全くない状態では非常に短時間で炭化してしまうが、20°CRH65%で調湿した試料を用い、セロソルブ、ジメチルスルホキシドといった、いわゆるセルロース誘導体の溶媒中に分散すると、キトサンと酢酸の組み合せの場合アセチル化度60%程度のキトサンが数分間の照射で得られた。IR測定の結果、そのほかの組み合せにおいても、ほぼ同様の割合で塩が縮合してアミド結合となっていると考えられる。どの組み合せも弱酸と弱塩基の組み合せなので同様の結果になったと考えられるが、たとえばアルギン酸とモルホリンの組み合せから得られるようなものは他の方法では調製しがたく、場合によっては有用であるといえよう。なお照射後の試料はいずれも不溶不融であり、副(架橋)反応を起こしている可能性も否定できない。
|