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防菌・防かび性付与による木材のロングライフ化の試み

研究課題

研究課題/領域番号 09876045
研究種目

萌芽的研究

配分区分補助金
研究分野 林産学
研究機関京都大学

研究代表者

坂 志朗  京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (50205697)

研究分担者 河本 晴雄  京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (80224864)
研究期間 (年度) 1997
研究課題ステータス 完了 (1997年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
キーワード防菌・防かび性 / ロングライフ / ゾル-ゲル法 / 無機質複合化木材 / トポ化学 / 有機ケイ素アルコキンド / 腐朽試験 / 土中埋没試験
研究概要

テトラエトキシシラン(TEOS)を用いたゾル-ゲル法によるSiO_2無機質複合化は、木材に難燃性、寸法安定性、耐蟻性などの機能を付与することが知られている。そこで本研究では、毒性を示さずTEOSと伴にSiO_2に組み込まれるシリコン型固定化抗菌剤より、4級アンモニウム塩型として、3-トリメキシシリルプロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロリド(TMSAC)、両性イオン型として3-トリメキシシリルプロピルカルボキシメチルアンモニウムヒドロキシド(TMSAH)、アミン型として3-トリメトキシシリルプロピルオクタンアミン(TMSOA)を用い、ゾル-ゲル法による抗菌性無機質複合化木材の開発を試みた。また、これらの反応系に撥水機能を有する2-ヘプタデカフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン(HFOETMOS)を少量添加した木材の無機質複合化をも検討した。その結果、
(1)3種の抗菌剤を用いてSiO_2無機質複合化木材を調製した結果、TMSAC及びTMSAHの系で良好な結果が得られ、WPGは5〜15%の複合体が調製された。一方、TMSOAの系では反応溶液がゲル化した。この結果はアミン型抗菌剤がTEOSのゾル-ゲル反応で触媒として働くためであり、本研究の反応系では好ましくないことが判明した。
(2)TMSACを用いた木材の無機質複合化では、木材腐朽試験及び土壌埋没試験より下記の順
無処理材<SiO_2複合体≦TMSAC木材<TMSAC-SiO_2複合体<HFOETMOS-(TMSAC-SiO_2)複合体に抗菌性が向上し、TEOSと併用して無機質複合化することが効果的であることが明らかとなった。これはTEOSとの併用により抗菌剤がより均一に複合化され、SiO_2ゲルと結合して固定されるためと推定した。さらに、HFOETMOSを少量添加すると、TMSACの添加量が少量であっても腐朽が認められず、高い抗菌性が示された。また、9カ月の土壌埋没試験においても、HFOETMOS-(TMSAC-SiO_2)複合体の撥水性は維持されており、抗菌性との相乗効果が示された。
(3)TMSAHを用いた木材の無機質複合化では、(2)と同様の結果が得られたが、褐色腐朽菌による腐朽試験後の重量減少率がTMSAC系複合体の値より小さかった。これは、両性イオン型の抗菌剤であるTMSAHの方がより安定した抗菌活性を有するためであると推察した。また、この無機質複合化の場合もHFOETMOSの少量添加により最も高い抗菌性が得られた。

報告書

(1件)
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] F.Tanno, S.Saka and K.Takabe: "Antimicrobial TMSAC-added Wood-Inor ganic Composites Prepared by the Sol-Gel Process" Materials Science Resarch International. 3・3. 137-142 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] F.Tanno, S,Saka, A.Yamamoto and K.Takabe: "Antimicrobial TMSAC-added Wood-Inor ganic Composites Prepared by the Sol-Gel Process" Holzforschung. (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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