研究課題/領域番号 |
09876060
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業土木学・農村計画学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
佐々木 長市 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (30162374)
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研究分担者 |
松山 信彦 弘前大学, 農学生命科学部, 助手 (20261430)
小関 恭 宮城県農業短期大学, 農学科, 教授 (90070218)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 開放浸透 / 閉鎖浸透 / 水稲生育 / 窒素 / カリ / 浸透形態 / 酸化還元 / 稲の生育収量 / 窒素濃度 / 鉄イオン |
研究概要 |
研究は、現実の水田の閉鎖・開放浸透という土層環境の違いが土層内の科学的成分および水稲生育に及ぼす影響について解明することを目的とした。 実験は、実際の水田の酸化還元環境を大型円筒(径30cm、高さ75cm)を用いて再現し、円筒内に稲を栽培し行った。円筒内の土層は3層構成(作土:12.5cm、スキ床:10cm、心土:35cm)とし、心土層の浸透形態を開放と閉鎖に切り替え模型を作製した。供試模型は作土およびスキ床に黒ボク土、心土を礫としたものと黒ボク土としたものの2種類とした。 土層は、作土、スキ床層は閉鎖浸透で還元層となった。心土層は、黒ボク土を用いた場合も礫を用いた場合も閉鎖浸透条件では還元層、開放浸透は酸化層となった。降下浸透水の硝酸態窒素は、還元層では低濃度であったが、酸化層には著しく上昇した。同じようにな濃度増加は亜硝酸態窒素でも認められた。このような濃度の高まりは、実験開始し約60日目まで認められた。肥料として施したカリは、作土層で約50日間スキ床層、心土層の濃度に比べ高まる傾向が確認された。降下浸透水中の鉄およびマンガン濃度は、作士スキ床層で検出されたが、下層が開放浸透で酸化層である場合には検出濃度が著しく低下した。水の生育収量への影響は、全層黒ボク土水田の心土層の根活性が閉鎖浸透層に比べ開放浸透層で高い傾向が確認された。また、黒ボク土水田では心土層が開放浸透層の水田の草丈が高くなる傾向が認められた。礫水田では草丈に差は認められなかった。 この結果より、浸透型の違いは水稲根圏環境を変え、生育収量およびその養分環境に大きな影響をもたらしていると判断された。
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