研究課題/領域番号 |
09876077
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西原 真杉 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90145673)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 成長ホルモン / パルスジェネレーター / 視床下部 / 成長ホルモン放出ホルモン / ソマトスタチン / 多ニューロン発射活動 / 下垂体 / ラット |
研究概要 |
成長ホルモン(GH)は下垂体より間欠的に、すなわちパルス状に分泌されており、そのパルスパターンが生理作用の発現を第一義的に決定している。例えば、ラットにおいては雄ではほぼ正確に3.3時間毎に高振幅の分泌が起こるが、雌では高頻度で低振幅の分泌が起こり、このような分泌パターンの差が体成長の性差の原因となっている。一方、我々はヒトGH(hGH)遺伝子を導入した形質転換ラットを作出することに成功している。このラットには顕著な肥満、高血糖、インスリン抵抗性などが発現し、典型的なインスリン非依存性糖尿病が惹起された。我々はその根本的な原因はGHのパルス状分泌が欠如したためであると考え、hGHを間欠的に投与したところ、これらの病態が大きく改善した。すなわち、GHのパルスパターンが糖・脂質代謝の制御に関与していることが明かとなり、中枢による代謝制御機構の解明に、GHパルスジェネレーターの興奮性を直接モニターするシステムが期待されている。本研究は、未だ同定されていないGHパルスを誘起する視床下部神経機構、すなわちGHパルスジェネレーターの電気活動を記録するシステムの確立を試みたものである。下垂体からのGHのパルス状分泌を制御している視床下部のGH放出ホルモン(GRH)ニューロンとGH放出抑制ホルモン(SRIF)ニューロンの存在する領域のニューロン群の電気活動を多ニューロン発射活動記録法を用いて記録したところ、それぞれの領域から間欠的な興奮を示す特徴的なニューロン群の電気活動が記録できた。GHの分泌を促進するGH-releasing peptideを投与することにより、GH放出を促進する部位の活動は低下し、GH放出を抑制する部位の活動は上昇した。これらの結果は、本研究により記録された電気活動が、GHのパルス状分泌の制御に関わるものであることを示唆している。
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