研究課題/領域番号 |
09876084
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
数坂 昭夫 (1999) 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (00002113)
岩田 久人 (1997-1998) 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (10271652)
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研究分担者 |
藤田 正一 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10143314)
数坂 昭夫 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (00002113)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 海棲哺乳動物 / 生物濃縮 / 環境汚染モニター / 異物代謝酵素CYP / 肝臓 / ゴマフアザラシ / クラカケアザラシ / CYP1A1 / トリブチルスズ化合物 / ビスフェノールA / GFAP / イルカ / クジラ / アザラシ / 環境汚染 / 複合汚染 / 有機塩素化合物 / 有機スズ化合物 |
研究概要 |
海棲哺乳動物は、海洋生態系植物連鎖の最上位に位置し、生物濃縮による環境汚染物質の体内蓄積が知られている。海棲哺乳類がもつ異物代謝酵素CYPの変動を複合的海洋汚染のモニター指標物質として用いることの有用性を検討した。 ゴマアザラシおよびクラカケアザラシとも、皮下脂肪に海洋表面濃度の10億倍、1億倍に濃縮されたPCB,DDTが検出された。これらの汚染とCYP1A1依存の活性には正の相関が認められ、CYP1A1およびその活性は動物のPCB汚染の指標となることが示された。更に、アザラシでは、CYP2Bがほとんど無く、ラットでCYP2B依存の酵素活性が、アザラシではCYP1A1が触媒していることが明らかになった。この様に幅広い解毒能力を持つ酵素は汚染物質の除去に応用可能であると考えられる。海棲哺乳類の肝臓においてCYP1AおよびCYP3Aサブファミリーに属する分子種の存在を遺伝子レベルで確認した。予想されるアミノ酸配列を用いて他の動物種のCYPを交えた系統解析を行ったところ、鯨類CYPは偶蹄類CYPと、鰭脚類CYPはイヌのCYPと近縁の関係にあることが明らかになった。更に、クラカケアザラシCYP1A1とイシイルカCYP1A1の代謝能には有意な差がみられ、CYP活性を生体の汚染の指標として用いるにあたり、動物種差、系統差を考慮することの重要性が示された。
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