研究課題/領域番号 |
09877010
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
小林 誠 山口大学, 医学部, 教授 (80225515)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | スフィンゴ脂質 / 細胞質カルシウム濃度 / 血管平滑筋 / 一酸化窒素 |
研究概要 |
スフィンゴ脂質(sphingosine,sphingosine-1-phosphateおよびsphingosylphosphorylcholineなど)は、細胞膜の生理的な構成成分として存在する膜脂質およびその代謝産物であるが、最近、種々の細胞(線維芽細胞、腫瘍細胞など)において、細胞内Ca^<2+>貯蔵部位からのCa^<2+>放出、および細胞増殖の促進などの作用があることが次々と報告され、新規の細胞内情報伝達分子として注目されている。動脈硬化病変部では、血管平滑筋細胞の増殖異常が観察されるが、血管平滑筋細胞の細胞増殖に及ぽすスフィンゴ脂質の効果については、不思議なことに、これまで全く検討されていない。さらに、血管系細胞の細胞内Ca^<2+>動態や張力調節に及ぼすスフィンゴ脂質の効果についても、全く報告がない。 本研究では、血管内皮・平滑筋細胞の緊張と細胞周期制御における、スフィンゴ脂質の役割とその細胞内情報伝達機構を明らかにすることを目的とした実験を行い、以下の結果を得た。 l)スフィンゴ脂質は、血管平滑筋に直接作用して、細胞質Ca^<2+>濃度を増加させるのみならず、収縮装置のCa^<2+>感受性を増加させることによって、血管を収縮させた。 2)スフィンゴ脂質は、内皮細胞に作用して、細胞質Ca^<2+>濃度を増加させるとともに、NO産生を増加することによって、内皮依存性の血管弛緩を引き起こした。 以上の結果から、スフィンゴ脂質は、血管緊張を制御する新規の情報伝達システムであると思われた。
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