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疾病の自然歴とその薬物治療による修飾及び薬物治療歴を毛髪一本で知る試み

研究課題

研究課題/領域番号 09877020
研究種目

萌芽的研究

配分区分補助金
研究分野 薬理学一般
研究機関岐阜大学

研究代表者

植松 俊彦  岐阜大学, 医学部, 教授 (50151832)

研究分担者 松野 浩之  岐阜大学, 医学部, 助手 (40273148)
研究期間 (年度) 1997
研究課題ステータス 完了 (1997年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード毛髪分析 / 服薬歴 / 糖尿病 / 治療歴 / 糖化蛋白 / フルクトース・リジン / フロシン / フレカイニド
研究概要

ある疾病の程度により増減する化学物質があり、それが毛髪から検出できるとすれば、薬物の場合(今回フレカイニドで新たに証明した)と同様、毛髪分析によりその疾病の自然経過や治療による病態の変化を知ることができるはずである。毛髪蛋白質は体液中の糖により非酵素的にそのアミノ残基がある割合で糖化され、その糖化度で糖尿病の長期的な指標HbA1cと同様に糖尿病の自然歴や治療歴を知ることが期待できる。毛髪蛋白の糖化度の指標として毛髪を酸性条件下で加水分解する際に生じるフロシンに着目し、その微量定療法をLC/MS/MS法にて確立した。またフルクトース・リジンを合成し、毛髪処理と同じ方法で加水分解しフロシンを生成させて測定して検量線を作成し、更にフルクトース・リジンの4つの水素を重水素で置換したd4-ルルクトース・リジンを合成して、加水分解前にそれを加えておき、加水分解の程度を補正すると共に、質量分析する際の内部標準として使用するという方法を考案した。これによって毛髪由来のpgのフロシンを再現性良く測定することが可能となり、毛髪一本のしかも1cmの毛髪片の糖化度を十分測定することができるようになった。本方法を用い以下の検討を行った。検診にて経口ブドウ糖負荷試験を受けた人と明らかに糖尿病を有する人計42人から毛髪を採取し、頭皮側1cmの部分のフルクトース・リジン量を測定して毛髪採取時に測定したHbA1cの値と比較したところ、両者の間には統計学的に有意な正の相関関係が認められた。次に、糖尿病の治療によってHbA1cが過去に大きく変動した患者の毛髪を頭皮側から1cmずつに細断して各細断片のフルクトース・リジン量を測定し、毛髪成長方向の分布として表した。HbA1cの増減に示される糖尿病の経時的悪化・改善と共に毛髪中フルクトース・リジン量も経時的に増減していることが判明した。

報告書

(1件)
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 植松俊彦: "始まりは向精神薬から" 治療(J.Therap.). 79・3. 141-144 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 松野浩之: "タイムマーカーを利用した向精神薬の薬歴管理" 治療(J.Therap.). 79・5. 133-136 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 丹羽雅之: "ニコチン分析による喫煙行動の管理" 治療(J.Therap.). 79・6. 143-146 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 滝口祥令: "毛髪中のカフェインは肝機能の指標" 治療(J.Therap.). 79.7. 184-187 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 小野 修: "新生児の毛髪分析により胎内での薬物への暴露の程度を知る" 治療(J.Therap.). 79・8. 161-164 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 植松俊彦: "毛髪分析による病歴・治療歴管理の可能性" 治療(J.Therap.). 79・9. 167-170 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 植松俊彦: "臨床毛髪分析入門" (株)南山堂(印刷中), (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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