研究課題/領域番号 |
09877032
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小林 一三 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30126057)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 制限酵素 / メチル化酵素 / プラスミド / 相同組換え / 大腸菌 / バクテリオファージ / 減数分裂 / 性 |
研究概要 |
1。制御遺伝子(C遺伝子)の感染寄生サイクルにおける役割。 「宿主に寄生した制限修飾系が発現するCは、他の制限修飾系が侵入するとそれにトランスにはたらいて、その制限酵素をメチル化酵素の前に発現させて染色体を切断させ、宿主を殺すようしむける(自殺による重感染排除)」この仮説の証拠をBamHIとPvuIIの場合に強めた。 2。制限修飾遺伝子による「分離後宿主殺し」と宿主の対抗手段としての染色体切断の組換え修飾の機構。 制限修飾遺伝子を持つプラスミドを温度感受性複製単位でドライブし、温度シフトによって複製を止め、制限修飾遺伝子を同調的に喪失させた。液体での温度シフトでは、細胞が多核フィラメントにより、染色体の切断、分解が進んだ。recBC変異株では、増殖の阻害が著しく、フィラメント中の核が消失していった。切断された染色体が蓄積し、それらはさらに分解した。これらから、RecBCD RecA相同組換えが、染色体切断を修復することによって、制限修飾遺伝子の宿主殺しから、宿主を守ると結論した。 3.染色体上の制限修飾遺伝子による宿主殺し。 染色体上にあるPaeR7制限修飾遺伝子が、相同な遺伝子による置き換えに対して、宿主殺しによって抵抗すること、これが宿主の相同組換え経路によって影響されることを示した。まれなtransductantのなかには、制限修飾遺伝子を含む大きな領域が、それを挟むtandem repeats間の不等交叉によって重複し、そのうち一つの制限修飾遺伝子だけがドナーとの相同組み換えによって置き換えられたと考えられるものもあった。このことは、「分離後宿主殺し」が、プラスミドの性質では無く、制限修飾系遺伝子自身の性質であることを意味する。
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