研究課題/領域番号 |
09877035
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病体医化学
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
宮田 篤郎 (宮山 篤郎) 国立循環器病センター研究所, 生化学部, 室長 (60183969)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | PACAP / 結合蛋白 / 神経ペプチド / マウス / 遺伝子 / 血管平滑筋 / 細胞増殖 / ELISA |
研究概要 |
Pituitary Adenylate Cyclase Activating Polypeptide(PACAP)は、申請者らにより、ヒツジ視床下部より単離、構造決定した神経ペプチドで、その循環調節系における役割を解明する目的で、PACAPの血中動態を検討する過程において血漿中にPACAP特異的結合因子が存在することを見いだした。平成10年度においてはPACAP特異的結合因子の性状解析をさらに進めるとともに、PACAPの詳細な分泌動態解明において、その生合成調節機序解明が必須となることから、PACAP遺伝子の転写調節機序を明らかにすべく、マウスPACAP遺伝子を単離し構造解析を行った。 1) PACAP特異的結合因子の性状解析において、ゲル濾過により、ラット以外、ウサギ及びヒト血漿中のPACAP特異的結合活性を比較検討したところウサギではラットとほぼ同じ程度であったのに比べ、人では、ラット血漿に比べ約1/2程度と少なく、しかも女性の血漿中には存在するものの男性の血漿中にはほとんど存在しないという性差が見られた。これらのことから、PACAP特異的結合因子の生理的役割の種差が示唆されるとともに、また性差については、脳以外の末梢組織では精巣に最も高濃度に存在することや、CRF結合タンパクがやはり女性で妊娠とともに高値を示すこととの関連性が示唆された。今後血中のPACAP分泌動態における結合蛋白の生理的役割を解明していく上で性差及び性周期を考慮する必要があると思われ、構造を明らかにすべく今後さらに単離精製を進める予定である。 2) マウスPACAP遺伝子構造解析においては、本遺伝子が6.6kbにわたり5つのエクソンからなることを明らかにした。またその5'上流の解析において本遺伝子の転写開始点は3ヵ所ありalternative splicingにより少なくとも4種の異なった5'非翻訳領域を持つmRNAが脳に存在することを明らかにした。今後、循環器系における血管内皮細胞とともに、神経系細胞としてPC12細胞、アストログリア細胞、などの培養細胞系を用い本遺伝子の発現調節に関わる転写因子を明らかにしていく予定である。
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