研究課題/領域番号 |
09877047
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
高橋 潔 熊本大学, 医学部, 教授 (70045631)
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研究分担者 |
坂下 直実 熊本大学, 医学部, 助手 (90284752)
宮川 和久 熊本大学, 医学部, 助手 (00244111)
竹屋 元裕 熊本大学, 医学部, 助教授 (90155052)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | CD5マクロファージ / GM-CSF / CD34 / c-kit / 大網乳班 / 移植 / Bリンパ球 / 発生 / CD5陽性マクロファージ / viable motheaten mouse / M-CSF / 大網乳斑 |
研究概要 |
1. 正常成熟BALB/cあるいはC3Hマウスの腹腔内にはCD5(Ly-1)マクロファージ(CD5Mφ)の存在は見られなかった。 2. これらのマウスにマウスリコンビナントGM-CSF5ngを連日皮下注射すると、CD5Mφが出現した。このMφには、CD5の他に、F4/80、BM8などのMφマーカー、B220、IgMなどのB細胞マーカーが陽性で、これらのマーカーはGM-CSF投与5日をピークに陽性となり、以後CD5やB細胞マーカーは消失し、CD5陰性のMφになることが判明した。 3. 腹腔内CD5Mφ前駆細胞はCD34、c-kitなども陽性で、MφとB細胞に分化する前駆細胞に由来し、この前駆細胞は大網乳斑で発生することが推定された。 4. C3Hマウス(Ly-1.1陽性)の胎生13日胎仔肝と大網原基をscidマウス(Ly-1.2陽性)の腎被膜下に移植して検討すると、scidマウスでは大網乳斑の形成は極度に悪いが、移植1ケ月後に大網乳斑が形成された。移植マウスにGM-CSFを投与すると、腹腔内にCD5Mφが増加し、このMφをLy-1.1とLy-1.2の差によってドナー(C3Hマウス)あるいはrecipient(scidマウス)由来かを判別すると、その殆どがLy-1.1陽性で、CD5Mφはドナー由来であることが明らかになった。 5. 肝原基のみの移植や骨髄移植では、GM-CSFの連日皮下注射によってもscidマウスの腹腔内には、CD5Mφの増加は見られなかった。 以上の成績から、CD5MφはGM-CSFの作用で腹腔内に発現、増加し、その前駆細胞は胎生肝に起源し、大網乳斑を経由して発生、分化するものと結論され、GM-CSFによってBリンパ球とMφの発生学的関連性が立証された。
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