研究課題/領域番号 |
09877086
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
吉田 吏江 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60277093)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | DNA損傷 / 活性酸素 / 8-oxodG / formamidopyrimidine glycosylase |
研究概要 |
細菌のDNA損傷検出系を作製するため、高分子DNAを電気泳動し、泳動像を解析することによりDNA損傷の検出ができるよう、まず大腸菌より単離したDNAを用いてのシステム作りを試みた。菌は人為的な損傷をさけるためゲル中に包埋し、膜、蛋白質を融解し、DNAを抽出した。その後、活性酸素生成系としてH_2O_2と金属(Fe,Cu)をDNAに曝露し、巨大DNA泳動装置(GENOFIELD)を用いて電気泳動を行った。ここで、酸化的DNA損傷の指標である8-oxodG検出のため、泳動前に酵素formamidopyrimidine glycosylase処理を行った。この酵素は8-oxodG部位を特異的に切断するため、塩基の損傷を切断の形に換えることができる。この酵素処理の後、アルカリアガロースゲル電気泳動を行った。泳動後、DNAはethidium bromideで染色し、泳動像のデンシトグラムを作製し、以下のように解析した。試料、マーカーDNAの各レーンの泳動像から、DNA分子長と移動位置の関係が得られ、曲線の定量的画像データから各レーンの平均分子長数(Ln)を次式より計算した:Ln^<-1>={∫(p(x)・dx)/L(x)}/∫p(x)・dx ここでL(x)は位置(x)に移動したDNA分子の長さであり、p(x)は仕置xに移動したDNA分子と結合したethidium bromideの蛍光の強さである。各レーンのLnの算出後、各曝露群において、{酵素処理あり(+)のLn^<-1>一酵素処理なし(-)のLn^<-1>}を求め、{コントロール(+)のLn^<-1>-コントロール(-)のLn^<-1>}をさらに差し引くことにより8-oxodGを検出した。現時点では実験ごとに検出された損傷量のばらつきが大きい。最近strand breakの検出に、より適するといわれているNeutral glyoxal gelの使用など今後改良を重ねていくことが必要である。
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