研究課題/領域番号 |
09877119
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
下濱 俊 京都大学, 医学研究科, 助手 (60235687)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 神経伝達物質 / 神経保護活性物質 / アセチルコリン / ドーパミン / 作動薬 / ニコチン性受容体 / D2受容体 / βアミロイド |
研究概要 |
ラット大脳皮質初代神経細胞を用いて、生殖細胞保護作用を有するニコチン性受容体サブユニットを決定した。α7サブユニットの選択桔抗薬であるα-bungarotoxin(α-BTX)やα4β2サブユニットの桔抗薬であるdihydro-β-erythroidineさらにα7サブユニットの選択的作動薬であるDMXB、α4β2サブユニットの作動薬であるcytisineを用いて、ニコチン性受容体刺激による神経細胞保護作用はα7サブユニットおよびα4β2サブユニットのいずれをも介して発現しうることを明らかにした。また、ニコチン性受容体刺激による神経細胞保護作用がin vivoの系でも認められることを検証した。Wistarラットを用いて一過性中大脳動脈閉塞モデルを作製した。脳虚血に先立ち、24時間ニコチンならびにDMXBを投与した群、脳虚血作製後薬物を投与した群、および無処置群におけるき梗塞巣の大きさを測定し、ニコチンならびにDMXBの前処置により梗塞巣の縮小化が認められることを明らかにした。次に、ニコチン性受容体刺激によりβアミロイド誘発神経細胞死も抑制されることを示した。ニコチンの投与によりベータアミロイド毒性は抑制された。α-BTXはニコチンによる保護効果を桔抗した。DMXBの投与によってもβアミロイド毒性は抑制された。βアミロイドの神経毒性は、ニコチン性受容体の刺激により抑制されることが示唆された。一方、ラット中脳黒質初代神経細胞を用いて、ドーパミンD2受容体作動薬が、受容体を介してグルタミン酸誘発神経細胞死(ドーパミンニューロンおよび非ドーパミンニューロン)を抑制することを明らかにした。その分子機構としてD2受容体刺激により活性酸素除去作用を有する物質が産生される可能性が示唆された。
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