研究課題/領域番号 |
09877124
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
岩 亨 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60257665)
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研究分担者 |
渡部 剛也 愛知医科大学, 医学部, 助手 (90278375)
本郷 一博 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (00135154)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | カテーテル・アブレーション / 脳焼灼 / 脳血管 / カテーテル / カテーテルアブレーション / 脳波 |
研究概要 |
平成9年度の研究でヒツジを用いて、1.5F・2.5Fコイル電極カテーテルを頚部から挿入しX線透視下に前大脳動脈へ留置して高周波通電を行い焼灼したが、傷害部位を検索するのが困難だった。このため脳における焼灼病変を確認するため以後の実験を開頭に切り替えた。4頭のヒツジで脳表及び上矢状洞に上記及び6F・7Fのカテーテルを挿入して、50-80度の温度コントロール下で5-90秒間の焼灼を行った。2-6時間後に脳を取り出し標本固定後、病理医による病理組織学的検討を行った。【結果】60度15秒以上の通電で肉眼的にも変化を認め、カテーテル電極から採取した脳波は焼灼前に比べ波高が減高し徐波化した。H&E染色及びBodian染色による病理組織学的検討では、病変部で皮質を中心に出血を伴う壊死、また浮腫を伴う神経細胞の脱落、濃染、萎縮を認めた。周辺部では中心部の浮腫に伴って圧迫された細胞および核が球形に濃染する像が認められた。この部分は心筋を焼灼した際に出血する部分に対応していた。しかし傷害部と健常部の境界は各種染色法を用いても確定困難なため、通電エネルギーと傷害程度の定量的評価はできなかった。【考案】心筋の焼灼では染色法が確立し傷害範囲をマクロ・ミクロ共に確定する事が容易だが、脳では傷害された神経細胞の範囲を決定できなかった。また脳波の波高が減少し明らかに傷害が予想されるにも関わらず病変部検索は困難であった。今後はまず、1.脳の傷害部位を健常部位と色の違いなどで染め分け、容易にマクロ・ミクロで病変サイズが計れるような染色法の開発が必要である。2.このためには心臓におけるTTCやPTAH・ミオグロビン染色のように、脳に特異的な蛋白などが破壊された際にこれに反応して色が付くのが望ましい。3.今回の研究で脳に傷害を与えるために必要なエネルギー・温度が心臓と変わらないことが明らかとなった。したがって焼灼は心筋焼灼用器材を利用可能で、現在心臓の血管用に開発されている生理的食塩水をコイル間から放出して血栓を防止するカテーテルを用いて、血管内からの脳の焼灼は十分に可能と考える。
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