研究課題/領域番号 |
09877172
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松田 哲也 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00209561)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 超高速MRI / 心臓MRI / Burst imaging / T2緩和時間 |
研究概要 |
多数のRFパルスを連鎖的に用いるBurst Imaging法は、新しい超高速MRI撮像法として注目されているが、信号/雑音比が著しく低いため臨床的な実用化には至っていない。本研究では、その実用化を目的として、信号/雑音比の低さに関する実験的検討を行い、信号強度が増強するよう改良を図った。本法では、信号の発生にあたるプロトンスピンの励起効率が著しく低いことが低信号となる主因であるとされ、励起に用いるRFパルスに位相変調を加えて励起効率を高め、信号/雑音比を改善する手法が既に報告されている。これを心臓の撮影に適用してみたところ、心筋からの信号は測定感度以下であり、この手法のみでは不十分であることが明らかとなった。 MRIの信号強度は、その発生だけでなく信号収集までの磁化の緩和現象による減衰に大きな影響を受けることに注目し、T1、T2緩和時間が心筋の特性に近い模型を作成して、条件を変化させながら撮影実験を繰り返した。その結果、本撮影法ではT2緩和による信号の減衰が大きく関与し、心筋ではT2緩和時間が0.1秒程度と短いために信号が微弱となることが判明した。本法による心臓の撮影には実効的な信号収集までの時間(エコー時間)を短縮することによってT2緩和の影響をできるだけ除くことが有効と予想されたため、本法にhalf-Fourier法と呼ばれる手法を導入し、実効エコー時間を53msecから16msecに短縮した撮影法を人体の心臓に適用したところ、心筋からの信号を得ることができた。本法を用いて人体の心臓の撮影に成功したが、撮影時間が68msecと著しく高速の撮影法であるにも関わらず、撮影対象の動きに対して感受性が高く、心筋の壁運動が比較的緩徐な拡張期の撮影には適用できるが、それ以外の心時相の撮影は困難で、本法を用いて心臓を撮影する場合には注意を要することが明らかとなった。
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