研究課題/領域番号 |
09877184
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
辻田 高宏 (1998) 長崎大学, 医学部・附属病院, 助手 (40304919)
岡崎 祐士 (1997) 長崎大学, 医学部, 助教授 (40010318)
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研究分担者 |
新川 詔夫 長崎大学, 医学部, 教授 (00111170)
中根 允文 長崎大学, 医学部, 教授 (80039833)
林田 雅希 長崎大学, 保健管理センター, 講師 (70264223)
岡崎 祐士 三重大学, 医学部, 教授 (40010318)
川瀬 健一郎 長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (30295076)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 精神分裂病 / HLA抗原型 / 慢性関節リュウマチ / インシュリン依存性糖尿病 / DR4 / 6番染色体短腕 / 罹病抵抗性遺伝子マーカー / 6番染色体短椀 |
研究概要 |
本研究は、染色体6番短椀に位置するHLA(ヒト主要組織適合抗原)のある型が、分裂病罹病に抵抗する遺伝子マーカーである可能性を検討しようとするものである。その根拠は、分裂病とRA(慢性関節リウマチ)及びIDDM(インシュリン依存性糖尿病)の合併が有意に少なく、共にクラスII抗原のDR4と相関が高いという遺伝疫学知見である(民族差があり日本人では別の抗原型の可能性もある)。また分裂病関連遺伝子が6番染色体短椀にあるという複数の遺伝子連鎖の報告も1995年以来なされている。以上から、6番染色体短椀に想定される分裂病関連遺伝子座位とHLA DR4をマーカーとする想定抑制ないし抗罹病遺伝子が、何らかのゲノム内機構を介して、相互に関連し合う可能性を推定した。2月25日現在、昨年の35人に新たに30人の被験者のHLAタイピングを追加し、合計65人について実施した。このうち第一度親族が8人であり、分裂病患者は57人であった。結果の概要は以下の通りである。 1.精神分裂病患者におけるHLA抗原型の頻度 第一度親族の対象者数は少ないので、この報告では57人の分裂病患者のHLA抗原型(A,B,C,DR locus)の頻度の概要を予報的に述べる。長崎における583人のボランティア対照群のDR抗原型頻度と比較したところ、DR 1,DR 4,DR 9は差がなかったが、DR 4は分裂病陽性25(43.9%)、陰性32(56.1%)、長崎におけるボランティア対照群陽性231人(39.6%)、陰性352人(60.4.2%)で、分裂病群が多かった(統計学的な有意差には達しなかった)。もし、さらに大きな標本でこれが確認されるならば、当初仮説とは逆の結果であるが、分裂病がRAと同じ免疫機能関連の問題を有することを示唆する興味ある結果である。他の抗原型を含む詳しい解析には尚約1ヶ月を要する。また、第一度親族の協力はなかなか困難であり、家族内コントロール法による関連・連鎖研究はさらに規模の大きい対象での検討が必要である。 2.興味深い一卵性双生児例 女子一卵性双生児の分裂病不完全一致例で、入院中の重症co-twinと比較して軽症で感情障害症状も示し、RA合併の双生児を見出した。採血恐怖があり検査が遅れたが、RAの合併が分裂病の表現型に何らかの関連を有するのか否か、6番染色体短椀の高精度分染等により検討したい。
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