研究課題/領域番号 |
09877194
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
清野 裕 京都大学, 医学研究科, 教授 (40030986)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ソマトスタチン / cAMP / G蛋白質 / SSTR1 / SSTR2 / 細胞内情報伝達系 / オクトレオチド / 細胞増殖抑制 / MAPキナーゼ |
研究概要 |
ソマトスタチン誘導体であるオクトレオチドは、内分泌腫瘍を中心とした腫瘍の治療に応用されているが、その作用機序は明かではない。そこで本研究においては、ソマトスタチン受容体サブタイプのうちSSTRlとSSTR2の2種類について、発現細胞株を樹立し(CHO-SSTRl、CHO-SSTR2)、それぞれの受容体と共役する細胞内情報伝達系について検討を加えた。CHO-SSTRlにおいてソマトスタチンは細胞内cAMPを低下させる作用があることが認められたが、各種G蛋白サブタイプに対する抗体を用いてソマトスタチンの効果を検討したところ、Gi3に対する抗体にてcAMPの低下効果が阻害されたことから、SSTRlはGi3を介して効果を発揮する事が明らかとなった。またSSTRl発現細胞株においてソマトスタチン負荷により濃度依存性に細胞内IP3産成の亢進が認められた。 従ってSSTRlは複数の細胞内情報伝達系と共役する事が明らかとなった。一方SSTR2発現細胞株においてCHO細胞にGi1遺伝子を同時に発現させたときにのみソマトスクチンによるcAMPの低下効果が認められたことから、SSTR2はGilを介して作用することが明らかとなった。またSSTR2はGi1と同時に発現させるとソマトスタチンに対する結合特性が変化し、リガンドに対する親和性が増加することが明らかとなった。従ってソマトスタチン受容体はサブタイプごとに共役するG蛋白質が異なり、それぞれで細胞内情報伝達系との共役が異なる可能性が示唆された。抗腫瘍効果の作用機序を明らかにし、効果の強いアナログを開発するためには、これらの情報伝達系をさらに詳細に検討していくことが必要と考えられた。またSSTR3-SSTR5についても同様の検討が必要と考えられた。
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