研究課題/領域番号 |
09877216
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
竹内 和久 東北大学, 医学部, 助手 (40260426)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | アンジオテンシンII / トランスジェニックマウス / インターフェロン / サイトカイン / 転写性遺伝子発現調節 / 血管平滑筋 |
研究概要 |
アンジオテンシンIIはその受容体を刺激し動脈硬化を進行させる。レニン-アンジオテンシン系のトランスジェニックマウス用いてアンジオテンシン受容体の発現調節を研究する基礎実験として、転写性発現調節機構について検討した。まず、アンジオテンシンAT1a受容体遺伝子の機能的5'-転写調節領域をルシフェラーゼcDNAに連結してその転写活性への影響について検討した。使用するトランスジェニックスマウスにおいては動脈硬化病変が観察されるため、動脈硬化に関係する因子としてのサイトカインのAT1受容体遺伝子への影響を検討した。その結果、培養血管平滑筋細胞において発現ベクターを一過性に発現して検討すると、AT1受容体遺伝子転写活性はグルココルチコイドで発現が亢進し、これは従来の報告と一致していた。また、サイトカインの影響を検討したが、インターフェロンγによってAT1a受容体は転写性に抑制的に機能しうることが示唆された。すなわち、インターフェロンγは濃度依存性にAT1a遺伝子の転写発現を抑制した。さらに他のサイトカインのインターロイキンやTNF-αについては発現が増加する傾向にあった。 以上から、インターフェロンγはアンジオテンシンAT1a受容体の発現を低下させ動脈硬化の進行を抑制させる可能性が考えられた。意義としては、動脈硬化病変部位の不安低化にリンパ球由来のインターフェロンγが関係しているとの報告にAT1a受容体を介する機構も関与しうる可能性が示唆された。トランシジェニックマウスを用いたアンジオテンシン受容体の研究にはサイトカインの関与も考慮すべきこと示唆された。
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