研究課題/領域番号 |
09877231
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
熊田 馨 昭和大学, 医学部, 教授 (00025602)
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研究分担者 |
菊地 浩彰 昭和大学, 医学部, 助手 (20296966)
山口 真彦 昭和大学, 医学部, 講師 (00266149)
緑川 武正 昭和大学, 医学部, 助教授 (10255797)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | マイクロ波凝固壊死療法 / グリソン浸潤 / 脈管合併切除・再建 / 肝癌 / 肝硬変 |
研究概要 |
すでに肝静脈根部浸潤癌に対するマイクロ波凝固では腫瘍壊死と肝静脈血行維持が可能なことが臨床的に報告者らによって確認されている。これは腫瘍外科における血管外科の応用という従来の概念を越え、マイクロ波凝固が通常の手術による肝静脈合併切除、再建に代わりうることを期待させるものである。本研究ではグリソンについて同様の検討を実験的におこなった。 ビ-グル犬を用いて、肝門側グリソンへのマイクロ波の全周性の直接照射を各種条件下(60wt×30secの1-4回照射)で行い、マイクロ波照射前、及び照射後の経時的な当該肝領域の門脈、肝動脈の開存・血行状態、酸素摂取率を超音波カラードップラー装置、組織SO2、Hbモニター(PSA-IIIN;バイオメヂカルサイエンスKK製)を用いて測定すると伴に、胆道造影による胆管の開存状態、並びに光顕、電顕的な脈管、胆管の組織学的変化を検討した。 その結果、組織学的にはマイクロ波照射部グリソンの門脈では全層性の、肝動脈では内膜を主とする壊死性変化がみられたが、1カ月後には血管内皮の再生が観察された。術前-術後6カ月までの肝動脈、門脈の開存・血行、及び当該肝領域の酸素摂取率に於いても有意な変化はみられなかった。同部の胆管については、組織学的には門脈、動脈に比し変化が軽微であったが、胆管造影にて不可逆性の狭窄性変化が認められた。 以上より、肝門側グリソン浸潤肝癌に対するマイクロ波照射に於いては、胆管狭窄に対するステント等の対策付加が必要と考えられた。
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