研究課題/領域番号 |
09877242
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
瀬戸 泰之 (1998) 東京大学, 医学部・附属病院・分院, 講師 (00260498)
武藤 泰彦 (1997) 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30272561)
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研究分担者 |
富永 治 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10261976)
名川 弘一 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (80228064)
瀬戸 泰之 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (00260498)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 大腸癌 / Apoptosis / Bcl-2 / Bax / p53 / Caspase / アポトーシス / テロメラーゼ |
研究概要 |
悪性腫瘍では、細胞増殖と細胞死のバランスが破綻し無秩序な細胞増殖が生じている。大腸癌におけるApoptosisの異常を明らかにする目的でApoptosis関連遺伝子の発現を解析した。大腸癌切除例、ヒト大腸癌細胞株を対象として、Apoptosis抑制因子Bcl-2、Bcl-XL,Apoptosis促進因子Bax、Bad、Bak、Apoptosis EffectorであるCaspase Family(ICE、CPP32、ICH-1L)、さらに、癌抑制遺伝子p53の発現をWestern Blottingで解析し、Densitometerを用いて定量化、癌部分と正常粘膜のそれぞれの発現を比較した。すべての症例において、Bax、Bad、Bak、CPP32、ICH-1Lは癌、正常粘膜の胃方に発現が認められた。Bcl-XL.Bax.Bad.CPP32、ICH-1L、p53は、正常粘膜に比較して癌で発現が高い傾向が認められた。逆に、Bcl-2、Bak、ICEは、癌に比較して正常粘膜で発現が高い傾向が認められた。個々のの腫瘍における各Apoptosis関連遺伝子の発現パターンは多様であるが、高頻度に認められた顕著な変化は,癌におけるBcl-XLの発現上昇、Bcl-2の発現減少であった。各々の因子の間に朗らかな相関は認められなかった。 大腸癌におけるApoptosisの抑制には、Bcl-XLの過剰発現、Bakの発現低下が関与している可能性が示唆された。特に、Bcl-XLの発現上昇は、大腸癌の発生に重要な役割を果たしている可能性が考えられる。癌で認められたApoptosis促進因子Bax、Badの発現上昇、Apoptosis Effector CPP32、ICH-1Lの発現上昇は、生体反応として、癌細胞を排除するためのApoptosis誘導機構も活性化されている可能性を示唆するものと考えられる。個々の腫瘍で異なる、Apoptosis関連遺伝子の発現異常は個々の腫瘍の生物学的性質の多様性を反映している可能性が考えられる。
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