研究課題/領域番号 |
09877269
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮武 伸一 京都大学, 医学研究科, 講師 (90209916)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | brain tumor / gene therapy / herpes simplex visus |
研究概要 |
悪性脳腫瘍の治療に資するべく、単純ヘルペスウイルス(HSV)を用いた、遺伝子治療の研究を行い、若干の成果を得たので報告する。 helper HSVの存在下でのみ複製し、単独では複製不能なdefective HSV vectorを作成し、このベクターにより、サイトカイン遺伝子が脳腫瘍細胞に導入可能かどうか、in vitroおよびin vivo で検討することが目的であった。当初IFN-rおよびIL-2遺伝子を発現するウイルスベクターを作成する予定であったが、amplicon plasmid の調整に手間取り、成果を得られた研究としては、HSVのthymidine kinase(tk)を発現するdefective HSVを作成し、このウイルスおよび、helper HSVである、mutant HSV R3616(神経毒性を示さない)との相乗効果をマウス悪性脳腫瘍株GL261を標的として、in vitroおよびin vivo で検討した。まず、作成したdefective HSV(dvHCtk)は一ウイルス粒子当たり、約10コピーのtk 遺伝子を含んでおり、in vitro において、感染した細胞で強力なtk活性を発現することを明らかにした。次いでこのウイルスをGL261細胞にin vitro で感染させ、ganciclovir(GCV)を投与することにより、著名な坑腫瘍効果が得られることを確認した。最後に in vivoの治療実験としてsyngeneic mouse にGL261 腫瘍魂を形成させ、この腫瘍魂にdvHCtk とR3616を投与し、GCV を投与することにより、腫瘍発育の著名な抑制効果を認めた。コントロールとして作成したlacZ遺伝子を発現するdefective HSVでは坑腫瘍効果は得られなかった。 今後は当初の予定のサイトカイン遺伝子を発現するdefective HSV vectorを作成し、研究を進めていきたい。
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