研究課題/領域番号 |
09877270
|
研究種目 |
萌芽的研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
清水 恵司 大阪大学, 医学部, 助教授 (50162699)
|
研究分担者 |
田村 和義 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
宮尾 泰慶 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | Glioma / Cyclin / Cyclin G / Antisence / Apoptosis / Gene transfer / HVJ-liposome / Gene therapy / CyclinG / HVJ-Iiposome |
研究概要 |
高等真核細胞におけるサイクリンとしては、現在までにAからIまでの9種類のサイタリンが報告されており、その中でサイクリンGは、当教室の田村によって発見されたものである(Oncogene8:2113-2118,1993)。このサイクリンGがP53と結合すること、アンチセンスの導入により細胞にアポトーシスを誘導すること、さらに悪性神経膠芽腫細胞株にサイクリンGが高発現していることも実証している(未発表データ)。本研究では、サイクリンGが、脳腫瘍の発症にどのように関与しているか調べると共に、脳腫瘍の発生メカニズムに関与している他のサイクリンの有無や、サイタリン様蛋白質の存在の可能性について解析した。今のところサイクリンGに対する有用な抗体が入手出来ないので、本サイクリンを発現している細胞を選別するのが困難であった。最近GFP(green fluorescent protein)を付加したり、FlagでTag付けすることにより、サイクリンGもしくはアンチセンスを発現した細胞を容易に識別できる可能性が見込まれるようになった。そこで、種々のグリオーマ細胞に、GFP融合サイクリンGやFlag標識サイクリンGコンストラクトの過剰発現を試みたが、サイクリンGの過剰発現が細胞毒性を有するためか、十分な蛍光光度を有する細胞もしくは坑F聴抗体に反応する細胞を入手する事は出来なかった。また、アンチセンスRNA発現細胞株をクローニングする目的で、GFP融合アンチセンスサイクリンGの過剰発現も試みたが、同様に入手不可能であった。一方、グリオーマ細胞に対するサイクリンGのアンチセンスオリゴによる治療効果は、Sオリゴ自体の毒性のためにセンスオリゴ投与との間に有意差を見出せなかった。その結果、マウス神経膠芽腫モデルは容易に作製可能であるが、in vitroでの条件設定ができない現状でのin vivo治療実験は施行していない。また、神経膠芽腫細胞株、髄芽腫細胞林、あるいは神経芽腫細胞株よりRNAを抽出し、変性プライマーを用いたRT-PCRにより、サイクリンファミリーの解析を行ったが、既存のG1、G2、Iサイクリン以外の新たなサイタリンはクローニングできなかった。現在、高力価レトロウイルスにサイクリンGのセンス及びアンチセンスを導入したベクターを用いて、これら遺伝子発現細胞株の樹立を試みている。
|