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突発性難聴・遅発性内リンパ水腫における抗内耳抗体出現とステロイド反応性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 09877330
研究種目

萌芽的研究

配分区分補助金
研究分野 耳鼻咽喉科学
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

鈴木 幹男  滋賀医科大学, 医学部, 講師 (00226557)

研究期間 (年度) 1997 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード突発性難聴 / 遅発性内リンパ水腫 / 抗内耳抗体 / ステロイド治療 / ステロイド / 遅発生内リンパ水腫 / 坑内耳抗体
研究概要

3年間の研究期間において延べ225例の突発性難聴,35例の遅発性内リンパ水腫患者から同意の上,血清を採取し抗内耳抗体を検索した。その結果突発性難聴発症後一ヶ月の時点で28kD,30kD,52kD,57kD,68kDの分子量をもつ内耳蛋白に対する抗体の形成が観察された。時間経過とともに抗体検出率は低下したが発症後2年を経過しても38%の症例で抗内耳抗体が検出された。一方遅発性内リンパ水腫では70%で抗内耳抗体が検出された。この結果から内耳障害の後抗内耳抗体が消失しない症例で遅発性内リンパ水腫が形成される可能性が強く示唆された。対照として健常人と若年性一側聾患者における抗内耳抗体を検索したが,健常人では検出されず,若年性一側聾では28%で陽性であった。この結果は臨床的に観察される若年性一側聾からの遅発性内リンパ水腫の発生を初めて明らかにしたものである。さらに,抗内耳抗体をもつ遅発性内リンパ水腫では聴力低下時にステロイド治療をおこなったが6例中4例で聴力が改善し病態に免疫異常をもつことが裏付けられた。次いで免疫組織学的検討により抗内耳抗体が内耳のどの部位を認識しているかを検討したが,ラセン靭帯,コルチ器,ラセン神経節と陽性部位は多岐にわたり局在は一定しなかった。このことは内耳組織のいずれの部位も抗原となりうることを示し,内耳障害時の状況により認識部位が異なる可能性を示唆した。
本研究により難治性疾患である遅発性内リンパ水腫の発症メカニズムの一端を明らかにする事ができた。またステロイド治療の適応を決める際に抗内耳抗体の検索が有用であることが判明した。この結果はこれまで世界的にも報告されておらず臨床医にとり有益な情報であると考えられる。

報告書

(3件)
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 神前英明: "ムンプス難聴の検討"耳鼻臨床. 92・9. 947-951 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 糟谷憲邦: "発症後進行した突発性難聴"耳鼻臨床. 92・10. 1049-1057 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 瀬野悟史: "糖尿病をともなった突発性難聴"耳鼻臨床. 92・11. 1171-1180 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 鈴木幹男: "高齢者の突発性難聴"耳鼻臨床. 93・1. 11-14 (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 鈴木幹男 他: "難聴外来におけるミトコンドリアDNA点変異の頻度" Otol Jpn. 8巻5号. 526-530 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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