研究課題/領域番号 |
09877353
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山本 健二 九州大学, 歯学部, 教授 (40091326)
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研究分担者 |
中西 博 九州大学, 歯学部, 助手 (20155774)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | Arg-gingipain / Lys-gingipain / システインプロテアーゼ / 歯周病原性プロテアーゼ / 蛋白分解システム / 酵素欠損変異体 / Prophyromonas gingivalis / グラム陰性嫌気性細菌 / Porphyromonas gingivalis |
研究概要 |
歯周病の主要な病原性細菌の一つであるPorphyromonasginglvalisには細胞結合型および細胞外分泌型のさまざまなプロテアーゼが存在しており、本菌の重要な生理機能や病原性機能を担っていると考えられている。筆者らはこれまで本菌が産生する主要なプロテアーゼとして2つのユニークなシステインプロテアーゼ(ペプチド結合の切断の特異性からアルギニン特異的システインプロテアーゼArg-gingipain(RGP)およびリジン特異的システインプロテアーゼLys-gingipain(KGP)と呼んでいる)の生化学的ならびに遺伝学解析を通じて両酵素が本菌の病原性発現に必須の因子であることを明らかにしてきた。本年度は、RGPをコードする2つの遺伝子とKGPをコードする遺伝子の両方を同時欠損させた三重変異株を作成し、野生株ならびに前年度に作成したそれぞれの酵素の単一完全欠損株のもつ様々な機能に及ぼす影響を調べた。その結果、三重欠損株では細胞内にも細胞外にもまったくRGPおよびKGPの活性は認められず、タイプIコラーゲンや免疫グロブリンなどの分解活性も検出されなかった。さらに、この変異株は牛血清アルブミンのみを含む栄養培地では生育することができなかった。これらの結果から、RGPおよびKGPは栄養源やエネルギー源として利用するアミノ酸の産土や菌体内への取込みに必須であることが明らかにされた。一方筆者らは、前縁度の研究からrgpAおよびkgp遺伝子のC末端領域とヘムアグルチニン遺伝子hagAには本菌の血球凝集素活性やヘモグロビン結合に必要な接着ドメインが存在していることを明らかにしているが、本研究ではrgpA・kgp・hagA欠損三重変異株を作成して野生株のもつ血球凝集素活性やヘモグロビン結合活性に及ぼす影響を調べた。その結果、この変異株では血球凝集素活性もヘモグロビン結合活性もなく、これらの遺伝子産物が本菌の血球凝集能やヘモグロビン結合能に大きく貢献していることが示された。
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