研究課題/領域番号 |
09877372
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡辺 誠 東北大学, 歯学部, 教授 (80091768)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 顎関節症 / 脳波 / 大脳皮質 / 体性感覚野 / 誘発電位 |
研究概要 |
目的:顎関節症患者では、顎口腔領域の症状に加え、上下肢、腰部に臨床症状を認めることがある。本研究では、大脳皮質体性感覚野の誘発電位の記録に基づき、顎関節症患者における顎口腔領域の臨床症状と、上下肢、腰部の臨床症状との関連を明らかにすることを目的として、以下の実験を行った。 方法:被験者は、健常有歯顎者2名、顎口腔系のみに臨床症状を有する顎関節症患者2名、顎口腔系の疼痛とともに上肢の痺れ感を訴えた顎関節症患者1名である。脳電位は、熊井の報告(1996)に準じ、左右頭皮上の中側頭部、前頭部、後頭部及び頭頂部の7点から差動的に導出した。被験者の三叉神経支配領域(舌、歯肉、口唇)ならびに正中神経支配領域の中指頭に対し、持続時間1msecの定電流電気刺激を行った。電気刺激はそれぞれの部位にいずれも2秒間隔で100回与えた。刺激による誘発電位は平均加算し、分析に供した。 結果:何れの部位の刺激によっても、後頭部を除き誘発電位が記録された。記録された誘発電位は陽性波であり、刺激からほぼ300msecの間に2〜3群の陽性波が記録されることが多かった。しかし異なった刺激部位間での波形の違い、被験者間での波形の違いは明らかではなかった。また刺激側と対側との側差も明らかではなかった。 考察:口腔領域の電気刺激による誘発脳電位が記録可能であった。しかしながら今回は脳電位の導出部位が少なく、刺激部位の違いによる誘発脳電位の違いをを明らかにすることができなかった。今後は記録部位を増やし脳電位のマッピングを試みることにより、刺激部位と大脳皮質誘発電位との関係を解明し、さらにこれらに対する顎関節症症状および上下肢、腰部の症状の影響を明らかにすることを試みたい。
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