研究課題/領域番号 |
09877386
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大越 基弘 東京大学, 医学部・附属病院・分院, 助教授 (80022888)
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研究分担者 |
森 良之 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (70251296)
椎葉 正史 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (20301096)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 舌癌 / 完全長cDNAライブラリー / ケラチン遺伝子 / 口腔癌 / 腫瘍拒絶抗原 / 扁平上皮癌 / ワクチン療法 / 養子免疫療法 / 免疫療法 |
研究概要 |
本年度は、オリゴキャップ法による完全長cDNAライブラリー作成法の条件検討を進め、少量のサンプルからの、作成が可能になった。この改良法を用い、正常舌、及び舌癌について、オリゴキャップ法によるcDNAライブラリーの作製を行った。その結果、両者とも平均鎖長が約2000bpのライブラリーが得られた。独立に得られたクローンは約6x10^5である。それぞれのライブラリーから、各288クローンをランダムに分離し、5'端シークエンスを行ったところ、正常舌よりのcDNAライブラリーについて25クローンの、舌癌よりのcDNAライブラリーについて241クローンの5'端配列が得られた。これらの配列につき、既存のデータベースを用い相同性解析を行ったところ、既知の遺伝子と一致するクローンが正常で251クローン中170、舌癌で241クローン中149であった。また、これらの既知遺伝子のcDNAにつき完全長率を見たところ、正常が92.2%、舌癌で88.4%であった。 さらに、それぞれのライブラリーでのクローンの出現頻度を既知のものについて、検討を加えた。それぞれのライブラリーから配列が得られた数が251と241であるので、統計学的に有意な結果ではないが、いくつかの興味有る知見が得られた。1)ケラチン遺伝子は4,6,13のそれぞれ型が両者に発現しているが、癌と正常を比べると6,13型は頻度が変わらないものの、4型は、癌で正常の5分の1に減っていた。このためケラチン遺伝子全体の発現も癌で低くなっている。2)正常で舌で発現の高いLIMタンパク質遺伝子が癌で発現がない。このような、舌癌と正常舌組織との遺伝子発現の差は、今後このライブラリーからのクローンの配列決定を進めることで、さらに多数見いだされてくるものと期待される。
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