研究課題/領域番号 |
09877427
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鎌滝 哲也 北海道大学, 大学院薬学研究科, 教授 (00009177)
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研究分担者 |
藤田 健一 北海道大学, 大学院薬学研究科, 助手 (60281820)
中山 佳都夫 北海道大学, 大学院薬学研究科, 助手 (20261323)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 遺伝病 / ノックアウトマウス / トリメチルアミン / クローニング / 代謝欠損 / 発現系 / 遺伝子治療 / 遺伝子多型 |
研究概要 |
1. ヒト肝ミクロゾーム用いた速度論的解析の結果、トリメチルアミン(TMA)のN-酸化酵素活性は一相性を示し、Km値は46μMであった。熱処理(FMOは熱に不安定)あるいはFMOの阻害薬の添加によりTMAのN-酸化酵素活性は大きく低下した。これらの結果より、ヒト肝臓におけるTMAのN-酸化はFMOによって触媒されていることが示唆された。 2. ヒト肝よりRNAを調製し、RT-PCRにより、ヒトFMO3およびFMO5のcDNAを単離した。同様にして、ヒト腎臓RNAからFMO1cDNAを単離した。得られたcDNAを大腸菌発現ベクターpTrc99Aに組み込み、大腸菌JM105に導入して発現系を構築した。大腸菌で発現させたヒトFMO各分子種は、FMOの典型的な基質であるメチマゾールのS-酸化酵素活性を有していた。したがって、ヒトFMO各分子種の大腸菌での発現に成功したことが示された。 3. 大腸菌に発現させたヒトFMOを用いてTMAのN-酸化酵素活性を測定した結果、FMO1およびFMO3がTMAのN-酸化に対する触媒活性を有することを見いだした。さらに、FMO1とFMO3について、速度論的パラメータを算出した結果、Vmax/Km値で比較すると、FMO3の値がFMO1の値の約110倍であった。したがって、ヒトFMO分子種の中でTMAのN-酸化への寄与が最も大きいのはFMO3であることが明らかとなった。成人の肝臓ではFMO3の発現量が最も多くFMO1はほとんど発現していないので、実際のヒトの肝臓ではFMO3のみがTMAの代謝を担っていると考えられる。
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