研究課題/領域番号 |
09877435
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
乾 賢一 京都大学, 医学研究科, 教授 (70034030)
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研究分担者 |
桂 敏也 京都大学, 医学研究科, 助手 (10283615)
奥田 真弘 京都大学, 医学研究科, 助手 (70252426)
斎藤 秀之 京都大学, 医学研究科, 講師 (40225727)
橋本 征也 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90228429)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 薬剤性腎障害 / シスプラチン / アポトーシス / ネクローシス / 細胞障害 / LLC-PK_1 / DNA断片化 / 頂側膜酵素 |
研究概要 |
薬剤性腎障害における尿細管細胞死は、これまで、ネクローシス(壊死)と考えられてきた。一方、アポトーシスは、プログラムによる自発的細胞死であり、個体の恒常性維持や生体防御のために必須の機能であると考えられる。そこで、近位尿細管に特有の性質を保持しているブタ腎由来培養上皮細胞LLC-PK_1を用い、腎障害性薬物による障害発現におけるアポトーシス誘導とその役割に関する検討を行った。 1.LLC-PK_1細胞のシスプラチン障害におけるアポトーシス誘導とその役割:コンフルエントに達したLLC-PK_1細胞を30μMシスプラチンで処理したところ、24時間後、既にヌクレオソーム単位ごとのDNA断片化及び核クロマチン凝集が認められ、アポトーシスの誘導されていることが明らかとなった。さらに、同条件で培養を継続したところ、培養液中へのLDH遊離、並びに細胞ホモジネート中の頂側膜酵素活性の低下が認められ、障害の発現が確認された。さらに、シスプラチンとグルタチオンとの同時処理を行ったところ、細胞障害及びアポトーシス誘導は共に抑制された。したがって、シスプラチンによるアポトーシス誘導は、細胞障害発現と関連することが示唆された。一方、高濃度(1mM)のシスプラチンでLLC-PK_1細胞を処理したところ、12時間以内に障害の発現が認められたが、DNA断片化及び核クロマチンの凝集は認められなかったことから、高濃度シスプラチン処理における障害発現はネクローシスによることが推察された。 2.他の腎障害性薬物によるアポトーシス誘導:他の腎障害性薬物であるゲンタマイシン、シクロスポリンAで24時間処理した場合にも、DNA断片化が認められたことから、種々の薬剤性腎障害の発現にアポトーシスの関与する可能性が示唆された。
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