研究課題/領域番号 |
09877445
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医薬分子機能学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
和久 敬蔵 帝京大学, 薬学部, 教授 (90013854)
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研究分担者 |
近藤 佐知子 帝京大学, 薬学部, 助手 (10286982)
岸本 成史 帝京大学, 薬学部, 助手 (60234217)
山下 純 帝京大学, 薬学部, 助手 (80230415)
杉浦 隆之 帝京大学, 薬学部, 助教授 (40130009)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | カンナビノイド / アラキドノイルグリセロール / モノグリセリド / アナンダミド / アラキドン酸 |
研究概要 |
1.研究代表者らは培養神経系細胞であるNG108-15cellを用い、数nM程度の2-アラキドノイルグリセロールが速やかで一過性の細胞内カルシウム濃度の上昇を引き起こすことを既に明らかにしている。今回、アラキドノイルエチレングリコール、N-アラキドノイルセリノール等の構造類縁体を用いてさらに詳細な検討を行った結果、これらの物質にはごく弱い活性しか見られず、カンナビノイド受容体は2-アラキドノイルグリセロールの構造を厳密に認識していることが明らかになった。 2.PGE2およびテオフィリンにより分化させ電位依存性チャンネル等を発現させたNG108-15cellでは、2-アラキドノイルグリセロールが脱分極に伴う細胞内カルシウムイオン濃度の上昇を抑制することを見いだした。シナプス前終末におけるカルシウムイオン濃度の上昇は、神経伝達物質の放出等に必須であることから、2-アラキドノイルグリセロールは、アデノシンやGABA等と同様、神経伝達物質の放出を調節するという役割を持っている可能性がある。 3.2-アラキドノイルグリセロールを含むモノグリセリドを蛍光誘導体とし、逆相HPLCで微量分析する手法を開発した。この方法を用い、ラット脳に4nmol/gtissueの2-アラキドノイルグリセロールが存在していることを明らかにした。これはラット脳に存在する総モノグリセリドの31%に相当し、2-アラキドノイルグリセロールが最も主要な分子種のひとつであることが明らかになった。 これらの結果は、2-アラキドノイルグリセロールが真の内在性カンナビノイド受容体リガンドであり、神経系の諸機能に深く関与している可能性を強く示唆するものである。
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