研究概要 |
今年度に行った研究によって得られた新たな知見等の成果の概要は次の通りである。 I. 日本人英語学習者が英語を聴くとき,日本語を聴くときよりも大きな音量を必要とするか さきに,研究代表者らが開発したPCによるリスニングの自動測定法により,英語の文や単語をヘッドフォンから両耳に呈示し,最適聴取レベル,最小可聴値の測定を行った。その結果,日本語を聴取するときよりも英語を聴取するときの方がより大きな音量を必要とする傾向が観察された。ただし,このときの音量は最適聴取レベルとはかならずしも一致しないことが分かった。より厳密には,オージオメーターによる測定が必要である。 II. リスニングの成績のよい被験者より,良くない被験者の方が大きな音量を必要とするか Iで使用した測定法によりリスニングの測定を行い,成績上位群と下位群とでリスニングに必要とする音量を解析した。被験者数が上位群7名,下位群3名であったので,結果の一般化はできなかった。今後,被験者を増やす必要がある。また,ヘッドフォン受聴とスピーカ受聴では被験者が必要とする音量に相違が観察されるかどうかについては,今後の研究課題である。 する予定である。 III. 音源(言語材料)は受聴音量に影響を及ぼすか しゃべり(spontaneous speech)と読み(read-out speech)の音声的差異が受聴音量に影響を及ぼすことが考えられるため,両者の音声学的検討を行った。 IV. メディアに依存した音量(相対値)ではなく,受聴音圧レベルなどの絶対値での測定は可能か 受聴音量を[dB]に変換して表現することが可能であることが分かった。
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