研究課題/領域番号 |
09878064
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
知能情報学
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
志村 洋子 埼玉大学, 教育学部, 教授 (60134326)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 乳児 / 音声 / 感情性 / 音響分析 / 聴取 / 認知 / 発話音声 / 歌唱音声 |
研究概要 |
本研究は乳児音声上の感性的情報の発達とその表出特性を、音声の音響分析を中心としたプロソディ解析の手法を通して明らかにしようとするものである。音声上に感性的情報が最も簡素な形で現れる前言語期の乳児を対象に、母児間で行われるコミュニケーション場面の音声を感性的情報に視点を当てて解析した。 作業仮説1)「乳児音声の感性的表出(快・不快、拒否・受容、甘え・恐怖などの基本的感情出)には、声の抑揚に加えて声質に関与する特性が重要であり、個人差が存在する」については、中国・米国の家庭に依頼した、2カ月齢児の音声の音響的解析を行った。この乳児と母親の間で行われる日常生活場面でのコミュニケーション場面の録音データについて、これまでに蓄積してきている日本人乳児のデータと比較検討し、音声特性の個人差及び文化間差異を解析した。現在、作業仮説2)「乳児音声の感性的情報表出の個人差が文化間差異となるのは、言語や認知機能の発達と相互依存し、生後1〜2年程度の時間が必要である。」について、音声情報の音響的解析結果との関連を解析中である。 また本研究の遂行に関わって「乳幼児期の音声の感性的情報の聴取能力の発達的様相を知る」ために、乳児を対象に、視線の移動変化を指標とした各種の感性的情報音声(成人発話音声・成人歌唱音声・乳児音声・幼児音声)の聴取実験を行った。その結果、乳児期初期から音声の感性的情報に対する認知の多様性があること、さらには月齢を追った変化が見られることが明らかになり、乳児の視線のあて先の変化を使った実験方法(視線移動変化指標による選好注視法)が有用であることも明らかになった。
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