研究概要 |
本年度は,知識ベース構築理論の一層の改良に加えて,複数の専門家による知識獲得と大規模化に対する諸課題を検討した. 1. 前年度に構築した理論を改良した.推論結果が求まらなかった場合に使用する暗黙解が,知識の獲得速度や知識ベースの大きさにどのような効果があるかを検討し,最適な暗黙解を選定するための規範を最小記述長原理に基づいて導出し,その効果を15種類の性質の異なるデータセットで検証した.提案した規範を用いることにより,知識更新が容易で,整合性の保持が保証された知識獲得性能のよいコンパクトな知識ベースが構築されることを確認した. 2. 前年度に試作したプロトタイプシステムを改良した.データの属性値の種類を増やし,名辞属性の他に数値属性も扱えるようにした.簡単なユーザインターフェイスを加え,大規模化への対応と結果の視覚化を充実させた. 3. 結論が複数ある場合への拡張や複数の専門家による独立した知識更新が可能となるような理論上の拡張を検討し,実用化システムの開発を目指した将来の研究課題をまとめた.
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