研究概要 |
本年度は本研究課題の最終年度であった.そこで,本年度は初年度と2年度に開発し,改良を行った交叉位置決定手法のさらなる改良を行い,実用的なシステムの実現を行い,本研究課題の最終的なまとめを行った.具体的には,翻訳ルールを獲得する際の獲得状況より翻訳ルールの階層化を行った.すなわち,文全体の翻訳ルールから部分的な翻訳ルールまで自動的な分類を行った.この結果,文法的に誤っている訳文の生成を制御でき,ユーザーの不快感を低減できることが明らかになった.また,交叉位置決定手法を導入した遺伝的アルゴリズムを用いた機械翻訳手法の性能評価実験を行い,その実験結果を詳細に考察した.具体的には類似度のしきい値25と55,70と55を比較し,正翻訳率,生成される翻訳例の質共に55の場合が上回ることを確認した.これはしきい値を低くしすぎると制約が緩くなり翻訳例は数多く生成されるが誤った翻訳例も多くなり,しきい値高くしすぎると制約が厳しくなり精度が高くなるが正しい翻訳例の数も少なくなるということから最適な値が55であったと解釈することができる.また,本年度は最終年度であるので,上述したような改良と評価実験を行った上で,さらに研究成果の発表に重点をおき,国内での研究会,海外での国際会議等で活発に発表を行った.また,3年間の研究成果をまとめて報告するために180ページに及ぶ報告書の作成を行い,関係する主要な研究者へ送付した.
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