研究概要 |
この研究では,都市計画への市民参加を促進するために,市民がインターネットを通じて3次元データにアクセスし,かつこれを更新できる双方向操作型システムを構築することを目的としている。 インターネットを利用した都市計画情報システムは,都市計画への住民参加を促す上で大きな効果が期待される.そこで平成11年度では,平成10年度までの成果である,インターネット上の双方向型都市計画支援3Dシステムの構築を完成させ,その検証を行った.このシステムは,3次元画像作成言語VRML(Virtual Reality Modeling Language)とインターネット上で汎用性の高いプログラミング言語Javaとを用いて構築されている.このシステムを用いると,物理的に離れた場所にいる人が,インターネットを通じて,同じ空間を共有することができる.さらに,その空間内では,3次元幾何学形状の操作や外壁の色彩の変更を行うことができる.このシステムを通じて,例えば,インターネット上で,建築物の斜線制限や道路拡幅といった幾何学的な空間操作のシミュレーションを体験することができる.このシステムを簡単に検証を行ったところ,通信に関わる物的環境の整備が課題ではあるものの,十分利用に足るものであることが確認された. 将来的には,本研究で開発したシステムが洗練され,都市計画立案過程において,市民が物的計画を議論する際に利用される一つのツールとなっていくと期待している.
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