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汽水湖の酸化還元変動水域における亜酸化窒素の生成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09878100
研究種目

萌芽的研究

配分区分補助金
研究分野 環境動態解析
研究機関島根大学

研究代表者

清家 泰  島根大学, 総合理工学部, 助教授 (30243421)

研究分担者 奥村 稔  島根大学, 総合理工学部, 教授 (30032650)
研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
キーワード亜酸化窒素 / 温室効果ガス / 成層圏オゾン / 亜硝酸イオン / 硝化 / 脱窒 / 汽水湖 / 酸化還元変動水域
研究概要

本研究の最終目標は,温室効果ガスとして,あるいは成層圏オゾンの消長に係わる物質として注目される亜酸化窒素(N_2O)の水圏(特に汽水域)における生成機構を明らかにすることにあるが,昨年度は,その前段階として,亜硝酸イオンの蓄積メカニズムの解明に力点をおいて検討を行い,その成果を中心に中間報告した。本年度は,亜酸化窒素の現存量の季節変化を捉えることから着手し,さらに生成機構を究明するためにフィールド調査及び室内実験の両面からアプローチし検討した。未だ,生成機構を解明するまでには至っていないが,汽水湖の酸化還元変動水域において見られるいくつかの興味深い結果を得たので報告する。成果の概要は以下の通り。
「亜酸化窒素の現存量」・・・・・・購入したパルス放電型ECD(非放射線型電子捕獲検出器-VALCO社製PDECD)によりN_2Oを定量した。底層水のN_2Oは10月から1月にかけて観測され,最大値は約40μgN/lであった。この値は,大気と平衡な湖水濃度の約200倍に相当する。一方,湖底泥中では,さらに高濃度の数十mgN/lもの値が観測され,湖底泥表層部でかなり生成されていることが分かった。これらは,室内実験による検討により,主として脱窒由来であることが示唆された。また、硝化活性の高い時期に,N_2Oが検出されなかったことから,硝化の副産物として生成されるN_2Oは,脱窒由来のものに比べ少ないことが示唆された。
「亜酸化窒素の生成機構」・・・・・・底泥間隙水中のN_2O濃度が底層水の濃度に比べて極めて高いこと,湖水中にN_2Oが検出され始める初期に上層よりも下層の方が高いこと等から,宍道湖・中海におけるN_2O生成は主に底泥表層部における脱窒に由来するものと考えられた。興味深いことに,底泥間隙水中のN_2O濃度が増加する要因として,硫化水素(H_2S)が影響していることが示唆された。また,ある程度蓄積されたN_2Oは基質として消費されにくく,さらなる蓄積を引き起こすものと考えられた。このような過程を経て底泥間隙水に蓄積されたN_2Oは,冬期に吹く強い西風によって湖水中に拡散・放出され,最終的に大気中へと放出されるものと考えられた。また,特に塩分躍眉の微弱な宍道湖では,N_2Oの生成量が,基質であるNO_3^-の供給量を左右する降水量に依存することが示唆された。

報告書

(2件)
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 清家 泰, 他: "汽水湖中海における貧酸素水塊形成時の硝化・脱窒" 沿岸海洋研究. 35. 27-34 (1997)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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