研究課題/領域番号 |
09878132
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
櫨木 修 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (80142751)
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研究分担者 |
仁科 博史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (60212122)
星野 真一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (40219168)
堅田 利明 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10088859)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | イノシトールリン脂質3-キナーゼ / チロシンリン酸化 / G蛋白質 / インスリン受容体 / 脂肪細胞 |
研究概要 |
本研究においては、インスリンの作用を増強するというGタンパク質活性化刺激の効果の分子機構を明らかにし、さらに、その生理的意義を確立するための基礎検討を行った。ラット脂肪細胞をインスリンで刺激したときのグルコースの取り込み速度増大は、同時に百日咳毒素感受性Gタンパク質を活性化することで顕著に増強された。また、CHO細胞をインスリン刺激したときの膜ラッフルの形成もこのGタンパク質を活性化することで顕著に増強された。これらの細胞応答は、イノシトールリン脂質3キナーゼの阻害薬であるワ-トマニンにより完全に抑制されるものであり、Gタンパク質による細胞応答の増強は細胞内におけるイノシトールリン脂質3キナーゼ産物(PIP3)の蓄積増大を伴うものであった。このとき,イノシトールリン脂質3キナーゼの下流に位置していると推定されているプロテインキナーゼBの相乗的活性化も観察された。これらの細胞内には、インスリン受容体刺激によって産生されるチロシンリン酸化蛋白質と活性化型G蛋白質によって相乗的に活性化れるという興味深い性質をもつイノシトールリン脂質3キナーゼ活性が存在し、その本体として、βサブタイプのイノシトールリン脂質3キナーゼを同定した。以上の結果は、インスリンの生理作用の発現においてG蛋白質共役型受容体の活性化状態が許容的に制御するという機構の存在を示すものであり、今後、糖尿病治療薬の開発などの応用面においてもユニークな視座を与えるものと考えられる。
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